長い一日が終わろうとしている。

今日の私は、
ずっと何かの先を見ていたような気がする。
ひとつ終われば次へ。
次が見えれば、その先へ。
時間が空けば休めばいいのに、
その余白にまた何かを入れたくなる。
きっと私は、立ち止まることよりも、
動いていることの方が得意なのだ。

けれど今日、不思議なことに気づいた。
心に残ったものは、
忙しく動いていた時間の中ではなく、
ふと立ち止まった瞬間にあった。

何も考えずに見上げた空。
何でもない言葉に感じた温もり。
見慣れた景色に胸が震えた瞬間。
特別なことがあったから感動したのではない。
むしろ、いつもなら通り過ぎてしまうものに、
今日は心がちゃんと追いついた。

離れる時間があるから、
近くにあるものの温かさがわかる。
季節が移ろうから、
今の一瞬が愛おしくなる。

そして忙しく動く私だからこそ、
ほんの一瞬の「何もしない時間」が、
こんなにも深く心に残るのかもしれない。

そろそろ最終章へと入る。

明日になれば、また私は動き始める。
きっとまた、あれもこれもと考えるだろう。
少し先を見て、
そのまた先まで思い描くだろう。
それも私。
だから、無理に変えなくても
いいのかもしれない。

ただ、ときどき立ち止まろう。
心が置いてきぼりにならないように。
空を見上げる数分でもいい。
風を頬に感じる一瞬でもいい。
大切な人の笑顔を、
ただ黙って見つめるだけでもいい。

今日、私が手にしたのは時間ではなかった。
時間の中にある余白だった。
そしてその余白にこそ、
感動も、温もりも、幸せも、
静かに入ってくるのだと思う。

明日のことを考えるのは、もうおしまい。
まだ来ていない明日に心を急がせるより、
今夜は今日という一日が残してくれた
余韻の中にいたい。

長い一日を走り抜けた心が、
ようやく自分のところへ帰ってきたのだから。

さて。
最後のページは、どう書き記そうか。
今夜は何も書き足さず、
この余白のまま閉じるのも悪くない。