昨夜から、どうしても忘れられない瞳がある。
名前はアイリス。
タイトルも、どこのサイトの
ショートドラマだったのかもわからないまま、
それでも空気のような色をした瞳と、
美しく、気高く、誇り高く、
凛として立つ姿だけが心に残っていた。
ところが先ほど、
日記をアップしようとしていたら、
偶然また同じドラマが流れてきた。
昨日観たばかりなのに、
また観入ってしまう。
そして今度は、ふと目に留まった
「詳細を見る」というボタンを押してみた。
あら。
アイリスの物語が、一話から始まった。
無料だし、まだ時間もあるから、まあいいか。16時少し前になったら洗濯物を取り込んで、
メイクをして、
美しく整えて出かける準備をしよう。
そう思いながら、
食いつくように画面を魅つめていた。
やっぱりアイリスは美しい。
けれど私が惹かれているのは、
整った顔立ちだけではない。
やっぱり、あの瞳なのだ。
空気のような、自然のような、
魅つむやていると
その奥へ吸い込まれてしまいそうな瞳。
なぜこんなにも惹かれるのだろう。
きっと、
自分自身の生き方に自信を持っている人の
瞳だからなのだと思った。
ところが、いいところで終わってしまった。
続きが観たい。
でも――ダメ、ダメ、ダメよ。
このボタンを押したらダメよ。
そう思っている指が、押してしまった。
二週間見放題、3500円。
ああ、やってしまった。
けれど続きを観れば観るほど、
胸がドキドキ、ワクワクする。
たぶん私はドラマそのものに
心を奪われているのではない。
アイリスという女性の生き方に、
どこか自分を重ねているのだ。
以前夢中になった中国のショートドラマは、
物語が好きで何度も何度も観た。
でも今回は違う。
ストーリーには、それほど惹かれていない。
私はただ、この女性を観ていたいのだ。
そう考えると、
おそらく一度最後まで見たら満足する。
ということは――一本3500円の映画。
ずいぶん高級な映画になってしまった。
まあ、それもいいか。
続きを楽しみに、
今日はここでアイリスとお別れしよう。
今度は私が、私の物語へ出かける番。
今日選んだのは、
黒いさらさらとした生地に白い柄が入った、
シックなノースリーブワンピース。
その原型になったのは、
なんと20代の頃に買った
ペパーミントグリーンのワンピースだ。
形が本当に好きで、
大切に着てきたから、
今でも時々袖を通す。
そして一年前、
そのお気に入りとまったく同じデザイン、
同じサイズで、
今度は黒と白の生地を選び、
仕立ててもらった。
採寸さえしなかった。
「これと同じものを作ってください」
それだけ。
好きなものは、どこまでも好き。
また心惹かれる生地に出逢ったら、
三着目を仕立ててもらうのもいい。
そして今日は、
新しく買った
ブリリアントファンデーションも
初めて使おう。
今使っているものがなくなってから
開けるつもりだった。
でも、今日は特別。
「桃色余韻の記念日」なのだから。
新しいファンデーションで
肌にたっぷり艶をまとわせよう。
そして、心にも艶をまとわせよう。
昨夜から私の中に残り続けていた、
アイリスの瞳の余韻。
美しく魅えるからではなく、
自分の生き方を信じているからこそ、
美しく魅える瞳。
ならば私も、誰かになろうとするのではなく、
私が好きだと思うものを選び、
私が美しいと思うものを纏い、
私自身の生き方を連れて出かけよう。
黒と白のワンピースを着て、
艶やかな肌に整えて、
鏡の前に立つ。
さて。
今日は何と言われるだろう。
それを少し楽しみにしながら――
アイリスの物語を閉じて、
今度は私自身の
「桃色余韻」の続きを歩きに行こう。
アイリスの瞳、その余韻をまとって✨
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