朝のウォーキングを終え、
お風呂で汗を流した。
そこから始まったのは、
いつもの朝のオアシス時間――のはずだった。
洗濯をし、おにぎりを作り、
お風呂を掃除する。
その合間に、
4日続けて買った
ハムチーズホットトーストサンドを食べた。
今日はゆっくり味わおうと思っていたのに、
気づけば最後の一口。
その直前、喉につかえてゴホゴホとむせた。「あ、私、朝ごはん食べてたんだ」
そこでようやく気づいたような気がして、
少し笑い、少し残念になった。
部屋の片付けは驚くほど早かった。
何を持ち帰り、
何を残し、
次に何が必要なのか。
もうリストを見なくても、
手が勝手に動いていく。
繰り返すって、すごい。
覚えようとしなくても、
いつの間にか身体へ染み込んでいる。
掃除機をかけ、キッチンを磨き、
排水口をきれいにする。
トイレも、洗面も、床まで拭いた。
一つ終えるたび、心の中で声をかけた。
お世話になりました。
明日の朝に残したのは、
部屋のフローリングの拭き掃除だけ。
それはきっと、
ここを旅立つ直前にする最後の挨拶になる。
冷蔵庫を開ける。
冷凍ご飯も、明太子も、ゆで卵も、もうない。
残っているのは、
明日の朝の野菜ジュース1本と、
電車の中で食べるカイザーサンド。
ずいぶん空っぽになった。
でも、不思議と寂しくない。
心のポケットと同じなのかもしれない。
この9日間に拾ったものを、
全部ここから持ち出そうとしなくていい。
もうたくさんのものが、
私の中へ染み込んでいる。
4日の夕方、
この部屋へやって来た自分が、
ずいぶん遠くに感じられた。
たった9日前なのに。
それだけ毎日、
新しい空気を吸い、
新しい心模様を重ねてきた
ということなのだろう。
一通り部屋を見渡した。
もう、大丈夫。
「お部屋の皆さん、お世話になりました。
明日の朝、旅立ちますね」
まだ、さようならではない。
今日一日を過ごし、
夜にはもう一度ここへ帰ってくる。
さあ、メイクをしよう。
そして時間が許してくれるなら、少し眠ろう。
荷物にも、部屋にも、
そして心にも余白ができた。
その余白に身体をそっと預けて、
今日という横浜最後の一日へ向かう前に、
ほんの少しだけ目を閉じよう。
部屋、余白をひらく✨
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