はじめは
あなたの青だった。
闇を裂き、
愛するものを守るためだけに燃える
冷たく、熱い光。
その青に魅せられて
私は物語の頁をめくった。
もっと逢いたい。
もっと見ていたい。
そう思うほどに
青は頁を抜け出して、
私の中へやってきた。
いつしか私は
読む人ではなくなっていた。
桜を咲かせ、
風を吹かせ、
あなたの手に
私の手を預けた。
「お前ひとりを愛そう。
俺の花嫁」
その声さえも
誰かから与えられた物語ではなく、
私の心が描いた世界で
私だけに聞こえた声になった。
朝が来る。
青い炎は
少しずつ輪郭をなくし、
淡いブルーになって
空へ溶けていく。
やがて
ピンクゴールドの光と重なり、
青だったことさえ
わからなくなる。
それでいい。
消えたのではない。
あなたの青は
私の中に染み込んだから。
思い出したくなったら
いつでも目を閉じればいい。
そこにはきっと、
まだ見たことのない空があり、
まだ歩いたことのない道があり、
私はまた
好きなように物語を描くだろう。
そうか。
私が恋焦がれていたのは
青い炎だけではなかった。
ひとつの青から
どこまでも世界を広げてゆける、
この心だったのだ。
だから今、
あなたの青を
朝の空へそっと溶く。
さようならではなく、
また逢うために。
青は今日も
私の奥で静かに燃えている。
私だけの物語を、
もう一度始めるために。
青、朝に溶く✨
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