長い一日が終わろうとしている。
今日を振り返ってみた時、
私の心に最初に浮かんだのは、
出来事ではなく色だった。
朱。
青。
白銀。
黒。
そして、その向こうに滲んでいた金色。
朝から心のどこかにいた四神が、
一日の終わりには
それぞれの色となって私の空に現れた。
不思議ね。
朝にはまだ、
それぞれ別々のものだと思っていた。
けれど一日を歩き終えようとしている今、
そのすべてがひとつにつながって魅える。
今日の私は、
四神に守られながら
歩いていたのかもしれない。
だからといって、
何もかもが思い通りになった
一日だったわけではない。
それでも、
どんな時間にもちゃんと私の心は動いていた。
嬉しい時には嬉しい色に。
少し残念な時には、少し翳りのある色に。
そして何かに心を奪われた時には、
驚くほど鮮やかな色に。
今日の私をいちばん鮮やかに染めたのは、
やっぱり若様だったのかもしれない。
寝ても若様。
目が覚めても若様。
青い炎の世界にすっかり心をさらわれて、
我ながら可笑しくなるほど夢中になった。
でも、そんな自分がなんだか嬉しかった。
物語の中の誰かに胸をときめかせ、
続きを知りたくてたまらなくなり、
少女のように心を弾ませる。
そんな私が、今もちゃんとここにいる。
若様に夢中になった今日の私は、
忘れていた何かを取り戻したのではなく、
ずっと自分の中にあったものを、
もう一度見つけただけなのかもしれない。
心は、年を重ねても色褪せない。
ときめけば、ちゃんと鮮やかに染まる。
今日一日の物語は
最終章に入ろうとしている。
朝、私は「初心に返る」
ということを考えていた。
すべてを白紙に戻し、
そこから自分の手で新しいものを描き始める。
けれど夜になった今、
その「白」は朝に思っていた白とは
少し違って魅える。
明日の白は、
今日という一日を漂白して
生まれる白ではない。
嬉しかったことも、
思い通りにならなかったことも、
ときめいた心も、
静かだった時間も。
何ひとつ消さなくていい。
今日という一日をすべて受け入れ、
その色を心の奥へ重ねた先に生まれる白。
だからきっと、今朝よりも深い。
初心には返る。
けれど、私は今日を置き去りにはしない。
朱雀の朱も、
青龍の青も、
白虎の白銀も、
玄武の黒も。
そのすべてを包んでいた金色も。
そして、若様に夢中になって
胸をときめかせた私の色も。
全部、連れていこう。
色を重ねたからこそ、白へ還ることができる。
それは昨日の私へ戻ることではなく、
今日を生きた私が、
もう一度新しい始まりの場所に立つこと。
そう思えば、白は何もない色ではない。
無数の色を抱きしめた、
とても深い色なのかもしれない。
今日一日、私を守ってくれた四神に、
心の中でそっとありがとうを告げる。
そして私も、今日という一日にありがとう。
たくさん心を動かしたね。
たくさん、ときめいたね。
さあ、そろそろ筆を置こう。
今日のすべての色を胸に抱いて。
私は静かに、明日の白へ還ってゆく。
色満ちて
心に深く
夜は澄む
余白の向こう
朝を描かむ
— Morimura
四神巡りて、白に還る✨
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