久しぶりに大型スーパーの地下へ降りた。
お菓子売り場がどのあたりにあるのかは、
なんとなく覚えている。
けれど、スナック菓子の棚は
二列、三列と並んでいて、
どこに何があるのか分からない。
右を見て、左を見て。
ジグザグ、ジグザグ。
柿ピー捜索隊、本日二度目の捜索開始。
それにしても、
大型スーパーのお菓子売り場ってすごい。
ハロウィンのお菓子が、ずらり。
ポップで、カラフルで、おいしそう。
普段こんな大きなお菓子売り場には
ほとんど来ないから、
見ているだけで目がチカチカしてくる。
ふと、チョコレートの詰め合わせが
目に入った。
おいしそう。
思わず手が伸びる。
……いやいや、待て。
私は今日、柿ピー捜索隊なの。
チョコレートを買いに来たのではない。
気を取り直して、再びジグザグ。
「あ、あ、あった!」
ようやく亀田の柿の種を発見。
いろんな味が並んでいる。
さあ、コンソメ味は――。
ない。
ああ……残念。
これだけ大きなスーパーにないのなら、
上のドラッグストアなんて、
お菓子売り場がほんの少ししかないし、
おそらくないだろうな。
ほとんど期待せず、
今度はドラッグストアへ移動した。
レジの前を通り抜け、
奥にある小さなお菓子コーナーへ。
ほら、やっぱり狭い。
プレーン。
梅しそ。
ほかの味。
ないか。
そう思った、そのときだった。
「あれ? この隙間、何?」
棚の奥を覗き込む。
……いた。
コンソメ味!
よし、一袋救出。
その一袋を手に取る。
すると――「あれ?」
その奥にもいる。
一袋。
もう一袋。
まだいる。
さらに奥にも。
期間限定なんだから、
こうなったら全部連れて帰ろう。
ひとつ、ふたつ、みっつ……。
六袋、救出成功。
まさか、
あれだけ広いスーパーになかったものが、
「ここにはないだろう」と思っていた
小さなお菓子売り場の、
さらに棚の奥に隠れているなんて。
柿ピー捜索隊、大戦果である。
六袋を抱えた途端、
ほっとしたのか、どっと疲れが出た。
「風さん、そこにいるんでしょ」
なんだか後ろで笑っているような気がする。
朝から白だ、砂紋だ、心ならしだ、紋だと
語っていた私が、
今は柿ピー六袋を抱えて大満足。
いいじゃない。
これも今日の私。
柿ピー捜索隊、任務完了。
ただいまより帰還します。
そのままお店へ向かい、待機所へ。
まずは自分のスペースを確保して、
荷物を置く。
よし。
これで私の居場所、完成。
さあ、ごろん。……と、
その前に。
本日の戦果を確認しておかなければならない。 六袋の中から、一袋を開ける。
家族のために探していたはずだけれど、
捜索隊の隊長としては、
やはり品質確認も重要な任務である。
一粒。ポリッ。
もう一粒。
ポリポリ。
「ああ、やっぱりおいしい」コンソメの味と、
柿の種のカリッとした食感。
これよ、これ。
満足しながら、もう一粒。
でも、ふと思った。
もしかしたら、
期間限定だから
余計においしく感じるのかもしれないね。
そう思いながら、
ようやく私はごろんと横になった。
柿ピー捜索隊。
これにて、本当に任務完了。
探しもの
棚の奥より
顔を出す
限定という
味もひとしお
— Morimura
番外編|ガラス遊び 柿ピー捜索隊、任務完了
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