群青が
まだ胸の奥で
静かに燃えている
雨が緑を濡らし
風が透明な指で
その色に触れる
ひとつ
またひとつ
水面に生まれた波紋が
私の中へ届くたび
胸の奥で
小さな音が鳴る
それは
震えではなく
響き
遠くで生まれた音を
コンサートホールが受け取り
もう一度
やわらかく返すように
海が響く
木々が響く
雨粒が響く
遠い日の私が
笑いながら響いてくる
私はただ
心の扉を開いて
その音を受け取っている
何も欲しがらず
何もつなぎ止めず
ただ
響いたものを
響いたままに
風へ返していく
やがて
幾重もの色の上
に銀糸を織ったような
静かな光が降りる
群青も
緑も
透明も
消えないまま
銀白の中で
ひとつの余韻になる
ああ心とは
こんなにも軽く
世界と響き合えるものだったのか
名もない何かに触れるたび
胸の奥で
またひとつ
音が生まれる
その音に導かれるように
私は今日も
風の向こうへ
歩いてゆく。
群青を
心に宿し
風を聴く
響きあう朝
恋となりゆく
— Morimura
「共鳴」
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