家族に見送ってもらって、家を出た。

結局、仕事はすべて片づけきれなかった。
あと30分ほどかかりそうな、
マクロでのデータ処理だけが残った。

でも、これは仕方がない。
パソコンさえ持って行けば、
どこでもできる。
明日の朝、ちゃちゃっと片づけて、
データは明日中にメールで送っておこう。

細々とした依頼については、
担当者や外部パートナーの方へ
メールを送った。
今日は土曜日。
おそらく返事が戻ってくるのは
月曜日以降になるだろう。
ならば、明日の朝の処理さえ終えれば、
とりあえずひと息つけそうだ。

……と言っても。
最近の私は、時間ができればできたで、
日記を書いている。
景色を魅れば、「あ、これも」
何かを思い出せば、「あれも書きたい」
そんなことばかり。

そしてとうとう、
画像の失敗から偶然生まれたヒカリンまで、
旅の仲間になってしまった。
失敗作だったはずなのに。
妙に愛らしくて、
どうしても離れがたくなった。

気がつけば、
風さん。
モリリン。
ヒカリン。
仲間が三人になった。

そして今日は、森村を加えて四人。
みんなで横浜へ向かう。

さてさて。
どんな道中になるのやら。
にぎやかすぎて、
新幹線で眠れないかもしれない。
でも、それも少し楽しみだった。

外は、秋らしい明るい日差し。
風がとても気持ちいい。
まさに行楽の秋。
こんな日には、
本当なら四人でお
弁当を持ってどこかへ出かけたい。

風さんはきっと、
みんなの間を自由に行ったり来たり。
モリリンは、
ウインナーを真っ先に狙いそう。
そしてヒカリンは
ーーなぜか真っ白なおにぎり。
具もいらない。
ふりかけもいらない。
海苔さえ巻いていない、
真っ白なご飯のおにぎりが好きらしい。
「やっぱり白が好きなのかな」
そんなことを考えると、
ひとりで少し可笑しくなった。

私は駅へ向かう途中、
お気に入りのパン屋さんへ寄った。
ベーグルサンド。
そして、少し小ぶりなおやつパンの袋詰め。
レーズンパン。くるみパン。バターロール。
しばらく迷って、
最後に選んだのはバターロール。
理由は単純。
いちばんカロリーが低かったから。

あと1か月と少しで、
年に一度の人間ドック。
体重は増やしたくない。
ちょっとは気をつけなくちゃ。
……とは思う。

思うのだけれど、秋は困る。
収穫の季節。
おいしいものが、
あちらこちらから手招きをしてくる。
食欲もしっかりある。
誘惑には弱い。
「だって、おいしいんだもの」
そんな言い訳まで、
もう用意できている。

白いキャリーケースを引きながら、
駅へ向かう。
予定していた電車には、
どうやら間に合いそう。
駅へ近づくにつれ、
人が増えてきた。
土曜日だからだろうか。

大きな荷物を持った人。
家族連れ。
楽しそうに話しながら歩く人。
きっと、
それぞれの目的地へ向かっているのだろう。

そして私も、そのひとり。
今日からまた横浜。
久しぶりの海。
いつもの空。
いつもの木々。

そして、 モリリン旅行代理店で
企画してもらった横浜めぐり。
あれ、いつ行こうかな。
今回の滞在中にうまく組み込めたらいいな。
そんなことを考えたら、
もう心だけは、
ひと足先に向こうへ着いている。

秋の風が背中を押した。
風さん。
モリリン。
ヒカリン。

さあ。

四人で、横浜へ行こう。

— Morimura