芙蓉のかわいらしい花を
ふたりで魅つめながら、
あなたとお別れした。
後ろ姿を見送り、
私はそのまま次のホテルへ向かった。

久しぶりに行く場所だったせいか、
途中で少し道を間違えてしまった。
「あれ?」
慌てて後戻り。
何やってるんだろう、
私。そう思いながら足を速め、
少し遅れて次のドアへ辿り着いた。

そして、
次のドアが開きました。
そこにいたあなたは、
すらりと背が高く、
とてもお洒落な人だった。

第一印象は、物静かな人。
けれど、こちらから声をかけると、
ひとつひとつきちんと答えてくださる。

少し間のある、
不思議な会話のキャッチボール。
そのテンポが、
なんだかとても新鮮だった。

そして、はじめましてのご挨拶。
あなたと抱きしめ合った瞬間、
まず感じたのは、
その背の高さ。
あなたの腕の中に入ると、
私がすっぽり包まれてしまうようで、
とてもあたたかかった。

安心するのに、
胸は少しドキドキしていた。
私からそっと触れていくと、
あなたが心地よさそうに
してくださるのが伝わってきて、
気づけば時間も忘れて夢中になっていた。

そして次は、あなたから私へ。
最初のリクエストには、
「え?」と少し驚いたけれど、
それもまた新鮮で、
なんだか楽しかった。

決まった形ではない、
ふたりだけの時間。
それがとても心地よかった。

途中、あなたのご出身の土地の話をすると、
物静かなあなたが少し
嬉しそうな表情を魅せてくださった。
その顔を魅るのが、
私はとても嬉しかった。

たくさん話したわけではない。
けれど、
気づけばずっと近くにいて、
抱きしめ合いながら、
ゆっくり時間を刻んでいた。

言葉よりも、
ぬくもりの方が
たくさんのことを伝えてくれる。
そんな時間だったのかもしれない。

そして帰り支度を始めたあなたが着替えた、
ひまわりのように鮮やかな色のTシャツ。
物静かなあなたとは少し意外なその色が、
私の目にはとても眩しく映った。

でも今思えば、
あの色は、
あなたと過ごした時間そのもの
だったのかもしれない。
静かなのに、あたたかい。
穏やかなのに、
心には明るい色が残っている。

まるで、
そっと差し込む陽だまりのように。
ありがとう、あなた。
あのぬくもりも、
あの静かな時間も、
しばらく私の心に残っていると思う。

また、あの笑顔で
ドアを開けてくださいね。
待っています。

静けさに
抱かれし胸へ
陽は差して
ひまわり色の
余韻を残す

— Morimura