今日、私が選んだ一文字。
「原」
原風景の原。
原点の原。
そして、どこまでも広がる野原の原。
この一文字を魅つめていると、
なんだか心の奥に、
懐かしい風が吹いてくる。
人にはそれぞれ、
心の中に大切にしまわれた風景がある。
幼い日に見上げた空。
大地の温もり。
頬を撫でた風。
何気なく過ごした日々の中で、
知らず知らずのうちに心に刻まれてきたもの。
それが、私という人間を育ててきた
原風景なのだろう。
けれど、原風景とは不思議なものだ。
遠い記憶の中に
静かに眠っているだけではない。
今、目の前に広がる風景が、
ふとその扉を開くことがある。
そして、過去の風景と
今の心象風景が重なり合うとき、
そこには思いがけない新しい色が生まれる。
今朝、群青の星空を見上げながら、
私はそんなことを考えていた。
大地には水鏡。
天空には群青鏡。
そして、そのふたつの鏡のあわいにある、
私の心。
私はずっと、空に自分の心模様を
描いていると思っていた。
けれど、もしかしたら、
空が私の心を映してくれていたのかもしれない。
そう気づいたとき、
私の中で何かが静かにほどけていった。
原点に還る。
それは、昔の自分に戻ることではない。
まして、積み重ねてきた人生を
白紙に戻すことでもない。
喜びも、悲しみも、失敗も、幾重もの経験も。
そのすべてを抱きながら、自分の心の源をもう一度見つめること。
そして、そこから新しい私を育てていくこと。
原点に還ることは、
過去へ引き返すことではない。
未来へ歩くために、
自分の心の根を確かめることなのだ。
そう思うと、なんだか嬉しくなった。
今朝、三色団子の真ん中に見つけた、
白い心の余白。
その白は、何も知らなかった頃の白ではない。
さまざまな色を知った今だからこそ、
もう一度、新しい色を迎え入れられる白。
私はこれからも、
そんな余白を心に持ち続けたい。
昨日の私を否定するのではなく、
昨日の私に今日の気づきを重ねていく。
そして、明日はまた新しい私に出逢う。
その繰り返しが、
やがて私だけの未来の国を
創っていくのだろう。
ふと、空を見上げた。
どこまでも広がる空。
そして、その下に続く大地。
ああ、そうか。
私の心の源は、遠い過去にある。
けれど、私の心が向かう先は、
まだ知らない未来にある。
そのふたつをつないでいるのは、
今を生きる私自身。
だから今日も、心のままに歩いていこう。
懐かしい風景を胸に抱きながら。
まだ見ぬ風景との出逢いを楽しみに。
いつかちゃんへ続く道を。
【一筆の一首】
原の字に
心の根を見
空仰ぐ
白き明日へと
道は続けり
ー Morimura
一筆入魂|「原」― 心の源に還り、未来へ続く ―
勃つねで応援-
-
共有で応援