間。

この一文字を、じっと魅つめてみる。
門の中に、日がある。
閉ざされた門の向こうから、
ひと筋の光が差し込んでくるような、
なんとも美しい文字ではないか。

「間」と書いて、
「ま」とも「あいだ」とも読む。

時間。
空間。
人間。
そして、間合い。

私たちは、知らず知らずのうちに、
たくさんの「間」の中で生きている。

言葉と言葉の間。
人と人との間。
昨日と今日の間。
そして、過去と未来の間。

けれど、忙しい毎日の中で、
その「間」を埋めることばかり
考えてはいないだろうか。

予定のない時間には予定を入れ、
沈黙には言葉を重ね、
何も起こらないことに、
どこか物足りなさを感じてしまう。

でも、今朝の私は少し違った。

群青の空に輝いていた冬の大三角。
星と星の間には、
果てしない宇宙の広がりがあった。

その点と点を結ぶことで、
ひとつの形が生まれ、
そこから物語が始まった。

そう。

点と点の間にこそ、物語が生まれる。

人と人との関係も、
きっと同じなのだろう。

近づくことだけが、
心を通わせる方法ではない。

少し離れているからこそ、
相手の温もりを感じることもある。

言葉を交わさない時間に、
かえって想いが深まることもある。

そして今日。
私の心には、
たっぷりと余白がある。
スケジュールにも、
まだ何も書き込まれていない。

だからこそ、
この「間」を大切にしたい。

何かを求めて歩き回るのではなく、
いつもの場所で、
心静かに待っていよう。

もし、ひとつのご縁が訪れたなら、
その瞬間から新しい物語が始まる。

もし、何も起こらなかったとしても、
その静けさを味わえばいい。

余白とは、何もない場所ではない。
まだ見ぬ何かを迎え入れるための、
心の居場所なのだから。

そして、もうひとつ。

「間」は「ま」と読む。
人生にも、
美しい「間」があっていい。
急がず、焦らず、
ときには立ち止まって。

その静かなひとときにこそ、
自分自身の心の声が聞こえてくる。

今日、私が選んだ一文字。

「間」

それは、
何かを埋めるための空白ではなく、
何かを迎えるための余白。

門の向こうには、
今日も柔らかな秋の光が差している。

さあ、どんな物語が訪れるのだろう。
私は今、
その「間」を楽しんでいる。


【今日の一首】

門ひらき
光を迎え
この余白
人と人との
縁の花咲く

— Morimura