独立詩|あわいに咲く光〜群青から黄金へ、心の余白に〜
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群青の夜が
静かにほどけてゆく
星たちは
互いの輝きを
確かめるように
最後の言葉を
交わし
やがて
白い朝の向こうへ
その姿を隠してゆく
けれど
消えたのではない
見えなくなった光は
私の心の奥で
まだ瞬いている
ふわり風が
時の扉を開ける
昨日と今日
過去と未来
夢と現実
そのどちらにも染まりきらない
名もなき色がある
それを
あわいと呼ぶのだろうか
群青に白が溶け
白に黄金が差し
黄金の向こうに
まだ知らない明日が透けている
ああ
なんて優しい色なのだろう
空には
一匹の白い鯉
まだ何色にも染まらず
ただ悠々と
光の海を
泳いでいる
ねえ
白き鯉よ
急がなくてもいい
今日の喜びを一色
明日のときめきを一色
悲しみさえも
いつか美しい模様になるのなら
一生という長い時間をかけて
あなたに錦をまとわせよう
ふと
水面に光が揺れる
ゆらり
ゆらり
そこには
遠い時代を生きた人々の夢も
今を生きる私の想いも
同じように映っている
流れゆくもの
残りゆくもの
異なるものが出逢い
重なり合い
新しい美しさを生み出してゆく
それは
遠い昔から受け継がれてきた
大和の心にも似て
移ろいを愛でる
もののあはれの心にも似て
ただ静かに
私の胸を満たしてゆく
ああ
私の心には
まだこんなにも余白がある
白いままでいい
何色にも染まらない場所が
残っているからこそ
明日の光を
迎えることができるのだから
ふわり
風が通り過ぎた
群青は白へ
白は黄金へ
そして
黄金はまた
新しい群青へと還ってゆく
終わりのない
色の旅
あわいとは
ふたつの世界を隔てる境ではなく
新しい世界が生まれる場所
今日もまた
私の心の余白に
小さな光が咲いた
その光を
そっと胸に抱きながら
私は
まだ見ぬ明日へと
歩いてゆく
— Morimura