秋陽の木陰|久しぶりなのに、久しぶりじゃない
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予定より20分ほど遅れて、お店に到着。
いつもの居場所を整え、ようやくひと息。
小腹が空いたので、じゃがりこをポリポリ。
グリーンコーラをゴクゴク。
ふふふ。
なんとも気ままな休憩時間。
ところが、ほどなくしてご予約のお知らせ。
さあ、今日も新しいドアが開く。
外へ出ると、秋の陽射しが心地よかった。
大通り公園の緑が、
ひときわ美しく輝いている。
ふと、久しぶりにあのくすの木を見上げた。
あわい茶屋の前に佇む、
女神様の宿るくすの木とは、また違う。
こちらは、
堂々たる風格をまとった武将のよう。
けれど私は知っている。
その逞しい根元には、
優しい父親の愛が息づいていることを。
そう思うと、凛々しい姿の奥から、
なんとも温かな空気が
伝わってくるようだった。
そして、今日のドアが開きました。
「久しぶり!」
爽やかな笑顔で迎えてくださったあなた。
「あら、本当にお久しぶりね!
また逢いに来てくれて嬉しいわ」
そんな言葉を交わしながら、
再会を喜び合った。
でも、不思議。
確かに久しぶりなのに、
あなたのお顔を見ていると、
そんなに長い時間が経ったようには思えない。
きっと、あの人懐っこい笑顔が、
心に残っていたからなのだろう。
素直で、かわいらしくて、甘えん坊。
それに、なかなかのイケメンさん。
ふふふ。
よく覚えているわよ。
そして、今日もまた。
お姉さんがいっぱい可愛がってあげると、
あなたも嬉しそうに甘えてくる。
そんなふたりの間に、
自然とやわらかな時間が流れ始めた。
ただ魅つめ合っているだけでも、
なんだか心が安らぐ。
気取ることもなく、
背伸びすることもなく。
お互いの笑顔が、
そのまま心のぬくもりになるようなひととき。
ふと、先ほどの大通り公園の
くすの木を思い出した。
堂々とした姿の奥に、
優しい愛を宿している木。
今日のあなたと過ごす時間も、
どこかその木陰に包まれているようだった。
ときめきには、華やかなものもあれば、
静かに心をほどいてくれるものもある。
今日の再会は、きっと後者だったのね。
久しぶりなのに、久しぶりじゃない。
そんな不思議な親しみを感じながら、
心地よい時間を過ごした。
ありがとう、あなた。
また、あのかわいらしい笑顔に逢える日を
楽しみにしているわね。
秋の日に
逢うその笑みは
木漏れ日の
ごとくやさしく
心ほどける
— Morimura