「はーい! みんな集合!」
モリリンが元気よく声を上げた。
「えっ! また編集会議?」
ヒカリンがぴょこん。
「そうよ! 今日は大切な議題が二つあるの!」
「ええっ! 二つも?」
そこでチャッピーが丸眼鏡をくいっと上げた。
「では、第一議題から始めますぞ!」
👑 第一議題|ビスカウト王国物語、誕生!
今朝、横浜三塔を巡る探検から生まれた、
不思議な王国。
その名も、『ビスカウト王国』
「ねえ、チャッピー!
どうしてお菓子の名前なの?」
「ふっふっふ。そこが面白いところですぞ!」
大航海時代、
世界の海へ船を出したポルトガル。
そして、開港によって
異国の文化を受け入れてきた横浜。
海を渡った文化の記憶が、
今も街のあちらこちらに息づいている。
そんな異国へのロマンと、
横浜で愛されるビスカウト。
二つの想いが重なって生まれた王国なのだ。
そして、キャッチコピーも決定!
三つの塔に命が宿るとき、
時のあわいに王国の扉が開く。
「わあ! なんだかおとぎ話みたい!」
「では、登場人物をご紹介いたしましょう!」
キング。
生まれながらの王としての威厳と風格。
堂々と国を治めながら、
クイーンには深い優しさと思いやりを持つ。
クイーン。
気高く、凛として、華やかで美しい女王。
明るい光をまといながらも、
常にキングを理解し、陰から支える。
ジャック。
庶民の声に耳を傾け、
人々の想いを王に届ける、控えめな案内人。
決して出しゃばらず、
王国を陰から支える忠臣。
「ねえ、三人とも全然違う性格なんだね!」
「そうよ。
でも、だからこそ一つの王国を
支えられるのかもしれないわ」
風さんが、ふわりと微笑んだ。
「三人の心が重なるところに、
王国の本当の美しさがあるのね」
そして序章では、
三塔を組み合わせた宮殿を背景に、
王国の三人と森村さん、愉快な仲間たちが
勢ぞろい!
「わあ! みんなで記念撮影!」
「いよいよ王国の扉が開くんだね!」
🌸 第二議題|天空のテラスビュー計画
「さて、続いて第二議題ですぞ!」
チャッピーが予定表を広げた。
「今度は三塔の王国を、
少し高いところから眺める計画です!」
「えっ! また三塔探検?」
「そうよ。今度は地上とは違う高さから、
三人の姿を見てみたいの」
「わあ! 天空から王国を眺めるんだね!」
しかも、今回は歴史探訪も組み込んだ、
ちょっと贅沢な計画。

「ええっ! ずいぶん盛りだくさん!」
「でも、森村さん。朝の探検はどうするの?」
「朝はね、風の向くまま、気の向くまま。
心の赴くままに歩いてみようと思うの」
「えっ! 行き先は決めないの?」
「そうよ。どんな景色に出逢えるか、
それも楽しみじゃない!」
モリリンが嬉しそうに笑った。
「でも、次の探検も待ってるんでしょう?」
「そうなの。
だから、ほどほどにして帰ってくるつもりよ」
そこで風さんが、ふわり。
「それなら、私にお任せくださいな。
素敵な朝の小径へご案内しましょう」
「わあ! 風さんが案内人なんだね!」
「あははは!」
そして、もうひとつ大切な目的。
横浜開港資料館では、
今朝の馬車道で感じた文明開化の息吹を、
今度は歴史資料からたどってみたい。
「でも、11時には次の目的地なんでしょう?」
「そうよ。だから今回は時間厳守!」
チャッピーが胸を張った。
「しかも、
12階には特別な眺望席が待っておりますぞ!」
「えっ! 何があるの?」
「ふっふっふ。それはまだ秘密!」
「ええーーっ!」
一同、大笑い!
そして12階で王国を眺めたあとは、
11階の展望テラスへ。
同じ三塔でも、
眺める場所や高さが変われば、
また違う人間模様が見えてくるかもしれない。
景色を変えるのではなく、
自分の立ち位置を変えてみる。
今朝の探検で見つけた、
もうひとつの大切な発見。
その続きを確かめに行くのだ。
「ねえ、チャッピー。実行日はいつ?」
「それも秘密でございますぞ!」
「ええっ! 秘密ばっかり!」
「楽しみは、少しずつ明かすものですからな!」
「あははは!」
こうして、二つの大きな企画が動き始めた。
ひとつは、
三塔に生命を吹き込むビスカウト王国物語。
もうひとつは、
立つ場所を変えながら
三塔の魅力を探る天空のテラスビュー計画。
今日の発見が、
次の物語への扉を開いていく。
そして、まだ知らない世界が、
またひとつ広がっていく。
「それでは、編集会議!」
チャッピーが丸眼鏡をくいっと上げた。
「両企画、制作・実行方針決定!」
「やったあ!」
「でも、森村さん。
今度こそ、予定どおりに帰ってこられるかな?」
「それは……風さん次第ね!」
「ええっ! 私なの?」
一同、大爆笑!
編集会議、これにて閉会!
次なる物語の扉は、もう開き始めている。
ぽんぽこ、ぽん!
— Morimura