名古屋のホテルで朝を迎えたわ
「名古屋の朝に、彼女の未来を想う」
久しぶりの名古屋…
急に予定が変わり、
横浜から乗ることになったのは、
最終の新幹線の一本前だった。
ホームに滑り込んできた
車両の窓には夜の街の灯りが映り込み、
発車を告げる電子音が静かに響いていた。
万が一のために終電を残しておくあたり、
自分らしいと思いながらも、
心はすでに名古屋へ向かっていた。
名古屋に来るたびに泊まる、駅直結のホテル。
改札を抜けると、
夜遅くにもかかわらず
駅構内には人の流れが絶えず、
明るい照明が磨かれた床に反射していた。
そこには、ひと足先にチェックインした彼女が、
私の到着を待っているはずだった。
けれど部屋に入ると、
待ちくたびれてしまったのか、
彼女は静かに眠っていた。
薄く灯るベッドサイドの明かりが
頬をやわらかく照らし、
規則正しい寝息だけが静かな部屋に溶けている。
その寝顔を見た瞬間、
長い移動の疲れも忘れるほど、
胸の奥がふっとやわらかくほどけていった。
大人になったはずなのに、
眠っている顔は幼い頃のまま。
まるで、あの頃の面影をそのまま残して、
体だけがすっと大きくなったようだった。
起きていれば、生意気なことも言う。
強がったり、少し背伸びをしたりもする。
それでも、無防備な寝顔は
本当に可愛らしくて、
髪が額にかかる様子や、
わずかに開いた唇まで愛おしく、
思わず魅つめてしまった。
彼女に会うのは、
いったい何年ぶりだったのだろう。
2年ぶりだったのか、
1年前にも会っていたのか。
その記憶さえ曖昧になるほど、
久しぶりの再会だった。
やがて彼女が目を覚まし、
眠そうに目をこすりながらこちらを見て、
小さく笑った。
その笑顔にこちらも自然と頬が緩み、
私たちは互いに久しぶりに会えたことを
喜び合いながら、
ネオンが輝く夜の錦へと出かけた。
かなり遅い夕食になったけれど、
彼女はずっと話していた。
通りには人々の話し声が行き交い、
店先から漏れる灯りが
濡れた路面を照らしている。
今の暮らしのこと、仕事のこと、
頑張っていること。
料理に箸を伸ばす手を止めながら、
ときに身を乗り出し、
ときに照れたように笑いながら、
一生懸命に近況を伝えようとする姿が、
なんとも愛おしかった。
思えば、私も彼女くらいの年頃には、
きっと同じように背伸びをしていた。
認めてほしくて、わかってほしくて、
頑張っている自分を
少しだけ誇らしく見せたかった。
そんな彼女の姿を見ながら、
若さとはなんて眩しく、
そして不器用で美しいものなのだろうと、
しみじみ思った。
店の窓越しに見える街の灯りさえ、
その時間を祝福しているように感じられた。
久しぶりに一緒に過ごした時間は、
時の流れを静かに教えてくれた。
けれど、どれほど離れていても、
どれほど会えない時間が続いても、
心の奥ではずっと繋がっている。
そのことを、改めて感じる夜だった。
一生懸命に生きている彼女に、
私は心の中でそっとエールを送っていた。
迷う日があっても、
転びそうになる日があっても、
そのままの彼女で、
自分の人生を大切に歩いていってほしい。
そして、新しい朝。
ホテルの窓のカーテンをゆっくり開けると、
淡い朝日が部屋に差し込み、
ガラス越しに見える名古屋の街は
少しずつ目を覚まし始めていた。
遠くを走る電車の音がかすかに届き、
ビルの谷間には
朝のやわらかな光が広がっている。
街は静かに、けれど確かに、
今日という一日を始めようとしていた。
まだ眠っている彼女の寝顔を見ながら、
私は静かに願う。
朝の光は白いシーツの上にやさしく落ち、
その横顔を穏やかに照らしている。
この街の朝の光のように、
彼女の明日にも、
やさしく確かな光が差し込みますように…
また新たな一歩を、
彼女らしく踏み出していけますように…
6月19日、金曜日✨
ステキな✨一日をお送りくださいね