あーあ、もう17時を回ってしまった。
あと少しだけ仕事が残っている。
1時間もあれば終わるはずなのに、
その1時間が取れなかった。
こんなときのために、
今日は会社へ行く前にデパ地下へ寄り、
晩ごはんのおかずまで先に買っておいた。
帰りに買い物をしなくても済むように、
ちゃんと段取りを整えていたはずだった。
ところが、余計な電話が一本。
お世話になっている社長からのお願いだから、
仕方がないとは思う。
けれど、正直なところ、
「それぐらいのパソコン操作、
自分でしてくださいよ」と
言いたくなるような内容だった。
どうやら、必要な書類を出力したいらしい。
「メールで送ってくれたら、
会社で出力して郵送してあげますよ」と
伝えたのだけれど、
メールにファイルを添付する方法が
わからないという。
急ぎではないらしいけど、
私には、今日の夕方しか時間が取れない。
仕方がないから、
指定されたコンビニの前で待ち合わせをし、USBにデータを入れて、
コンビニで出力してあげることになった。
「パソコンは持ってきてくださいね」と
お願いしておいた。
パソコンを立ち上げれば、
ほんの2、3分で済むことなのに。
まったく、困ったものだ。
おかげで、今日終わらせるつもりだった
残り1時間分の仕事ができなくなってしまった。
残念。
せっかく明日は一日オフにして、
家族と焼肉を食べに行き、
そのあとは家でのんびり過ごそうと
思っていたのに…
結局、家族の運転練習にお付き合いして、
モーニングを食べた後に会社に行き、
1時間ほど残りの仕事をして、
家に帰ってから、
12時に予約している
焼肉店に行くことになりそうだ。
忙しない午前中だ。
本当なら休みの日くらい、
仕事のことは忘れていたい。
けれど、
このまま残しておくのも落ち着かない。
幸い、今日はちょうど
きりのよいところまで進めることができた。
社長との待ち合わせ時間も迫っているので、
仕事の途中ではあるけれど、
そろそろ帰ることにしよう。
ああ、疲れた。
会社を出ると、
あたりはもう少しずつ薄暗くなりかけていた。
昼間、街を容赦なく照りつけていた太陽も、
今は少しだけ勢いを緩め、
やわらかな光を落としている。
行き交う人の姿も、
夕暮れの中に、
ゆっくりと溶け込んでいくように見えた。
私も早く用事を済ませて、家へ帰ろう。
疲れた心と体をほどきながら、
家族と食卓を囲み、
今日あったことをぽつりぽつりと話したい。
一日の終わりに待っている、
何気ないその時間が、
今は何よりも恋しい。
やんわりと暮れていく街の中を、
私も家の灯りへ向かって歩き出した。
けれど、あともう一仕事。
夕方の一言〜家の灯りへ、もう一仕事〜
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