サウナの中を歩いているような朝だった。

おはようございます。

今朝は、いつもより10分早い
3時50分に目を覚ました。

今日で、こちらでのウォーキングは
いったん最後。
しばらくこの街並みを
眺めながら歩けないので、
いつもよりゆっくり歩こうと思った。

外に出ると、まだ早朝だというのに、
風は暑く、生ぬるく、少し息苦しい。
サウナほどではないけれど、
それに近いものがある。
今日も暑い一日になりそうだ。

街灯に照らされた道を歩いていると、
路面が濡れていた。
昨夜は21時半に眠り、
そのまま一度も目を覚まさなかったから、
夜中に雨が降ったのかもしれない。

濡れた路面を見ていると、
それだけで少し涼しく感じる。

街中のお店の前で見かける、
打ち水を思い出した。
風鈴、すだれ、うちわ、網戸。
昔の人は、
ささやかな工夫で夏を乗り切っていた。

けれど今は、窓を閉め切り、
エアコンを効かせる時代。 
風鈴よりも、
冷えすぎたときのひざ掛けのほうが
必要なのかもしれない。

季節の感じ方も、夏の過ごし方も、 
時代とともに——というより、
気候の変化とともに変わっていくのだろう。

昔ながらの夏の風物詩が、
一つずつ消えていくようで少し寂しい。

そんなことを考えながら歩いていると、
不思議なくらい、
ちょうど40分で
私のパワースポットに着いた。
私の小さな千日回峰行のゴール。

朝一番の淡い光の中で、
まだ目覚める前の街を見下ろす。
歩いているうちに、
頭の中では勝手に記憶の仕分けが進み、
棚卸しが終わったように、
すっきりと空っぽになっていた。

そして再び歩き始めたとき、
最初に浮かんだのは、
懐かしい夏の風景だった。

風鈴の音。
風に揺れるすだれ。
中庭の木々。
大きなスイカにかぶりつく子どもたち。
「暑い、暑い」と言いながら、
うちわをぱたぱたと扇ぐ姿。

空っぽになった心に、
最初に戻ってきたのは、
季節を感じる気持ちだった。

この場所を次に訪れるのは、来週の火曜日。
それまで、しばしのお別れ。

私は空を見上げ、
遥か遠くにある横浜の海へ思いを馳せた。
朝の街には、聞こえないはずの風鈴が、
記憶の中で、
かすかに鳴っているような気がした。
その余韻を胸に、私は海のある街へ向かって、
新しい一歩を静かに踏み出した。