おはようございます。

今朝、目を覚ましたのは4:49。
いつもより11分早い。
昨日は珍しく、
おとなしく1:00前に眠ったからだろうか。
部屋を11分早く出て、
ウォーキングもいつもより
7分早くスタートした。

けれど、外の空気は今日も生ぬるかった。
振りほどいても、振りほどいても、
容赦なく体にまとわりつき、
決して離れようとしない。
息は苦しく、
歩き始めたばかりなのに、
肌にはじわりと汗がにじんだ。

馬車道まで行けば、きっと海からの風が届く。
そう信じて歩いたけれど、
馬車道に入っても風は来ない。
ずんずん港へ近づいても、
空気は止まったままだった。
足は前へ進んでいるのに、
体も心も、
まだ眠りの中に取り残されているようだった。

新港中央広場に着いても、やはり風はない。
暑い。苦しい。
足元までふらついてくる。
風が欲しい。
その一心で赤レンガ倉庫へ向かったけれど、
今日は何かのイベントがあるのだろう。
いくつものテントとスタンドが設営され、
海から届くはずの風を塞いでいた。

その間に、
お情けのように残された細い通路を、
海へ向かって進んでいく。
歩きにくい。
風もない。
苦しい。
それでも一歩ずつ進み、
ようやく狭い通路を抜けた、その瞬間だった。

目の前に現れたのは、
まるで巨大なマンションのような船。
「うわあ、大きい。すごい」
思わず声がこぼれた。
その向こうには、
遮るもののない広々とした海が見えた。
そして次の瞬間——
海からの風が、
波のように私へ押し寄せてきた。

ザバーン。
本当に一瞬、
頭から海水を浴びたかのような感覚だった。

ああ、やっと風が来てくれた。
息苦しさを抱えながら、
ここまで歩いてきた私へのご褒美のように、
海の風が全身を包み込む。
ザバーン、ザバーン。
風の波に包まれるたび、
熱を帯びていた体がほどけていく。
そして、眠りの底に沈んでいた意識も、
少しずつ、少しずつ目を覚ましていった。

空を見上げると、一本の飛行機雲があった。
天空へまっすぐ突き抜けるように伸び、
その白い線は太陽の光を受けて、
淡いピンクゴールドに染まっていた。

さらに空を魅つめながら歩いていると、
雲で形づくられた大きな舞台の幕が、
ゆっくりと開いていくように見えた。
間もなく開演。
主人公は太陽。
そして、朝の光。

今か、今かと胸を弾ませながら、
その登場を待った。
鳥たちの鳴き声。
水面に浮かぶ船がゆらゆらと揺れ、
ギー、ギーときしむ音。
それらはすべて、
この朝の舞台を彩るBGMのようだった。

そして、私の心の中にも音楽が流れていた。
高く、ゆっくりとした、透き通るような旋律。
それはきっと、
朝の私を目覚めさせるために奏でられた
メロディーだったのだろう。

大さん橋に入ると、
いつもとは少し違う風景が広がっていた。
普段、大型船は、
向かって左側に停泊しているのに、
今朝は、
私がいつものパワースポットへ向かう
一本道の右側に、
その大きな船体を横たえていた。
着岸する位置が変わっただけなのに、
まるで初めて見る景色のように感じられる。

朝の光と豪華客船。
それを眺めていると、
自分が船に乗っているわけでもないのに、
この船とともに世界を旅しているような、
優雅な気分になった。
今日は光を追うだけではなく、
大きな船を眺めながら、
地図の上で世界中を巡る。
これは、心の旅なのかもしれない。

長い船体が途切れた先に、
海と空と光が再び姿を現した。
太陽そのものはまだ雲に隠れている。
けれど、今にも顔を出しそうな
太陽から放たれた光が、
雲の間を縫うように四方八方へ伸びていた。

きれい。
その美しさに心を奪われた瞬間、
私の頭はようやく、すっかり目を覚ました。
空を見上げ、降り注ぐ光を魅つめながら、
大きく深呼吸をする。

昨日まで抱えていた心の荷物を、
ここでようやく下ろせたような気がした。
胸の中はすっきりと澄み渡り、
静かな無になっていく。
そのまっさらになった場所へ、
海からの風が爽やかに吹き込んできた。

「おはよう」新しい朝へ向かって、
心の中でそう叫ぶ。

今日という日の物語は、まだ始まったばかり。
どんな一日になるのかは分からない。
それでもきっと、私らしく、
素敵に紡いでいける。
ケ・セラ・セラ、と唱えながら、
私は胸を張って、一日を歩き出す。