風に見放されたのだと思って、
潔く諦め、
スマホであれこれ調べものをしていた。
すると、お仕事が入ったみたい。
思わず「嬉しい」と声が出そうになった。

しかも送迎付き。
雨を気にすることなく
向かえるのもありがたい。
結局、外はほとんど降っていなかった
ようだけれど、
楽ちん、楽ちん。

それから、次のドアが開いた。
迎えてくださったのは、
優しい笑顔が素敵なあなた。

なんとなく無口で、
おとなしそうな印象だった。
照れているのか、
それとも、もともと口数の少ない方なのか、
最初はよくわからなかった。

ちょこんとベッドに腰掛けている
あなたの隣に私も座り、
ご挨拶を兼ねて、
いろいろな言葉を語りかけていく。

すると、あなたは一つひとつ、
ぽつり、ぽつりと答えてくださった。
いろいろなお話をするうちに、
少しずつ緊張の糸が
ほどけてきたように感じた。

その頃、私はシャワーを浴び、
そして二人でベッドへ。
まずは、私からあなたに触れた。
あなたは、どこに触れても
とても素直に感じてくださる。
その反応が嬉しくて、
ここが好きなのかしら、
こちらはどうかしらと、
あなたが心地よく感じるところを探しながら、
夢中になって触れていた。

もっと喜んでいただきたい。
そんな気持ちで触れていると、
あなたが小さな声で、
「僕も触れたい」おっしゃった。

それでは交代ね。
あなたの触れ方は、
とてもやわらかく、優しかった。
ソフトな指先に包まれているうちに、
もしかしたら、
あなたより私のほうが
感じてしまっていたのかもしれない。

そして、最後にシャワーを浴びる頃には、
初めに感じていた距離が
嘘のように縮まっていた。
先ほどまでぽつりぽつりだった会話も、
いつの間にか言葉がポンポンと弾み、
いろいろなお話が飛び交っていた。
それが、とても嬉しかった。

人と人との出逢いとは、
不思議なものだと思う。
少し前までは、名前も知らなかった者同士。
それなのに言葉を交わし、
肌を重ね、
互いのぬくもりに触れているうちに、
まるで以前から知っていたかのような、
あたたかなつながりが生まれていく。

そんなぬくもりを感じられることは、
とても素晴らしいことだと思った。

また横浜へいらっしゃることがあったら、
ぜひ呼んでくださいね。
そうお願いして、あなたとお別れした。

今日は、
風に見放されてしまったのだと思い、
少し切ない
最後の写メ日記を書いてしまったけれど、
どうやら最後の章は、
書き直さなければならないみたい。

諦めたはずのその先に、
優しい笑顔と、
あたたかなぬくもりが待っていたのだから。