「おはようございます」というご挨拶は、
今日で二度目になる。

もうお気づきの方もいらっしゃると思うが、
昨夜はあまりにも眠たすぎて、
ご褒美のショートドラマを観る間もなく、
一日の終わりの写メ日記を書いている途中で、
眠ってしまったようだ。

ふと目を覚ますと、時刻は2:22。
どうしても続きを書き終えておきたくて、
眠たい体を起こし、最後まで書き上げた。
すべてを終えた時刻は、2:37。

その数字を見て、思わず笑ってしまった。
横浜から帰る日の朝は、
始発に乗るため、
いつも3:00に起きている。
けれど先日だけは、
アラームが鳴る前に目が覚め、
起きた時刻が2:37だった。
まったく同じ時刻。

それなら、もうこのまま起きていても
いいのではないか。
しばらく、そんなことを考えていた。
けれど、
横浜から帰ってきた日のことを思い出した。
睡眠不足のままハードな一日をこなし、
自宅に戻った頃には、
眠くて、ふらふらで、
今にも倒れてしまいそうだった。

睡眠不足によって、
暑さや熱中症への抵抗力も
弱くなっていたのかもしれない。
同じことを繰り返さないためにも、
もう少し眠っておこう。
そう思い、再び眠りについた。

次に目が覚めたのは3:22。
いつもは4:00に起きるのだから、
まだ早い。
また眠り、ふと目を覚まして時計を見る。
まだ早い。
まだ早い。
まだ早い。

そう思いながら何度か時計を見ているうちに、
なぜか数字の「4」が気になった。
スマホを手に取り、
時刻をじっくりと見つめてみる。
3時台だと思い込んでいた時刻は、
すでに4時台だった。
私は、丸々1時間勘違いしていたのだ。

結局、起き上がったのは4:39。
しばしのお別れを惜しむ、
こちらで最後の朝の
ウォーキングだったというのに、
予定より30分遅れてのスタートとなった。

昨夜、寝落ちしてから
最初に目覚めるまでが約5時間。
その後、もう一度眠った時間を合わせれば、
合計で7時間ほど眠ったことになる。
そう思うだけで、体が軽い。
頭も軽い。
たまには、こんな朝があっても
いいのかもしれない。

そんなことを思いながら、
いつものパワースポットへ向かって
歩き始めた。

昨日は昼頃から、激しい雨が降り続いていた。
一瞬だけ降る豪雨ではなく、
少し弱まり、止んだかと思えばまた降り出し、
再び激しい雨へと変わる。
それを何度も繰り返しながら、
結局21:00頃まで
降り続いていたのではないだろうか。

その雨のおかげで、
外へ出ると、路面はうっすらと濡れ、
涼しげな光をまとっていた。
気温も少し低く、
頬には爽やかな朝の風を感じる。
こんな清々しい朝の風に触れたのは、
ずいぶん久しぶりのような気がした。

新しい朝。
こんなときは、
ラジオ体操の歌でも
口ずさみたくなってしまう。

昨日は打ち合わせだけのつもりだった。
ところが、予定外の
押し売りのような展開に遭い、
かなり抵抗したものの、
最後には負けてしまった。

けれど、いろいろなことを
考え合わせてみると、
あの流れに乗ってよかったのかもしれない。

そして今朝、スマホを見ると、
嬉しい知らせが届いていた。
新しい、大きな案件の企画を
任せていただけることになったのだ。

私は、頭に浮かんだイメージを、
企画書というカタチに
創り上げることが好きである。
大きな案件になればなるほど、
張り切ってしまう。
そこに込めた自分の思いを
プレゼンテーションすることも
結構好きである。
そして、意外と得意でもある。

今回任された企画には、
私が長年、
いつか具現化したいと思い続けていた
イメージを応用できそうな気がしている。
そう思うだけで、胸がワクワクする。
その業種に向けた、
ありきたりの企画にはしたくない。
さまざまなアイデアを駆使し、
新しい技術も取り入れ、
ユーザーのニーズに合ったものへと
仕上げていきたい。

そして何より大切なのは、
机上の空論で終わらせないこと。
お客様に、
「これなら、私たちにもできる」
そう思っていただける
企画にしなければならない。

約1か月の時間をいただいている。
これから毎日、
少しずつ、自分の考えをカタチにしていこう。
そう思った途端、
朝のウォーキングを始めた私の頭の中に、
新しい企画の漠然とした全体像が、
どんと入り込んできた。

いつもはイヤホンをつけ、
音楽を聴きながら歩いている。
けれど今朝は、
一曲だけ聴いたところで、
潔くイヤホンを外した。
街を渡る風を感じ、
周囲の音に耳を澄ませながら、
少しずつ頭を目覚めさせていく。
見慣れた街の景色を、
自分の子どものように愛おしく魅つめる。
あちらこちらに貼られた広告物へ目を向け、
飲食店や駅、コンビニなど、
人の出入りが多い場所を意識して観察する。
気づけば私は、
今の街を自分なりにリサーチしながら
歩いていた。
かなり原始的な方法ではある。
けれど、それがまた楽しい。

今日からは、一曲だけ音楽を聴いたら、
イヤホンを外して歩こう。
目で観ることだけでなく、
耳で感じることも、
イメージを膨らませるための大きな力になる。
新しい自分のやりがいを見つけたような、
気持ちのよい朝だった。

途中で少し寄り道をしていたため、
いつもなら40分ほどで着く場所まで、
50分ほどかかってしまった。
私にとっての、小さな千日回峰行。
いつもより約1時間遅いだけで、
空の明るさはまるで違っていた。

太陽は雲に隠れながらも、
空の向こうで燦々と輝いている。
その光は、まるで明るい未来を
示してくれているようだった。

今朝、突然届いた嬉しい知らせに、
新しいやりがいを見つけた私の心を、
そのまま映し出しているようにも魅えた。

そして本来、私が進むべき方向を、
光が静かに
指し示してくれているようでもあった。

何も考えず、ただ無になれるこの瞬間。
この街と、しばらくお別れすることが、
少し寂しくなった。
次にここへ戻ってこられるのは、5日後。

そんな私の寂しさを慰めるように、
朝の風がふわり、
ふわりと私のもとへ流れてきた。
風は私の体を優しく包み込み、
そっと抱きしめてくれた。
「大丈夫。私がついているから」
そう語りかけてくれているようだった。

無になった私の心へ、最初に浮かんできたのは、新しい一日のこと。
そして、横浜の海。
さらに、ずっとお逢いしたいと思っている
方のことだった。

これから私の心は、
こちらと横浜の間を行ったり来たりしながら、
少しずつ切り替わっていくのだろう。
そして、その時刻がくれば、
自然と横浜モードへ変わっていく。
それはまるで、
サーバーのDNSを切り替えるように。

目には見えない場所で行き先が変わり、
やがて私の心も、
新しい場所へとつながっていく。
爽やかな朝の風に背中を押されながら、
私の心はもう、
次の物語へ向かって静かに動き始めていた。