爽やかな朝の風に吹かれながら、
今日は少し短めのウォーキングにして、
ゴールへと向かった。

今いる場所への思いと、
これから向かう新しい場所への思い。
その二つが、
頭の中を何度も行ったり来たりしている。
それはまるで、
季節がゆっくりと
移ろっていくときのようだった。

今ある季節を惜しみながら、
これから迎える季節に心を弾ませる。
季節と季節の狭間に立つからこそ
感じられるものには、
いつもとは少し違う、
深い味わいがあることを、私は知っている。

だから今、行ったり来たりしている私の心も、
決して迷っているだけではないのだと思う。
いろいろな思いを深く味わい、
静かに感じ、
大切なものを一つずつ心の中へ
そっとしまっている。
そして、それらを抱いたまま、
新しい場所へ向かおうとしているのだろう。

そんなときには、
頭の中を自由に解き放っておきたい。
いつも私を励まし、
背中を押してくれる音楽も、
今朝の私には、
かえって思考を遮るもののように感じられた。
だから今日は、
ずっとイヤホンを外したまま歩いた。

風の音。
鳥の声。
朝を迎えた街が、
少しずつ動き始める気配。
目だけではなく、
耳からも街を感じながら歩いていると、
自分の中に新しい何かが
静かに生まれていくようだった。

ウォーキングは、
いつもの3分の2ほどで切り上げた。
それでも今朝は、
ただ新しい一日が始まった
というだけではなく、
私にとって大切な、
新しい時間の始まりでもあるような気がした。

これから、家族の運転練習にお付き合いする。
朝の時間に少し余裕があったので、
いつものコースを最後まで歩ききり、
少しくらい遅れても
いいのではないかとも思った。

けれど、今日は平日の朝。
平日の朝は、わずか5分、10分の遅れが、
その後の予定を
大きく狂わせてしまうことがある。
そう考えると、
今日は潔く短めに切り上げて帰ることにした。

家族の運転練習には、
きちんとお付き合いしてあげたい。
助手席に乗って運転を見守るだけではなく、
その後には、
朝ごはんを一緒に楽しく味わう時間も
待っている。
今朝の私にとっては、
いつもの距離を最後まで歩ききることよりも、
家族と過ごす時間の方が、
もっと大切なものに思えた。

今から急いでお風呂に入り、
6:50頃には出発できるように
身支度を整えなければならない。

ゴールしたあとは、
クールダウンのストレッチ。
今朝の光は、
まるで一枚の薄いベールのように
空から降り注ぎ、
私の心の中にも、
きらきらとした輝きを落としていく。

やわらかく流れる風は、
張りつめていた心をゆるやかにほどき、
私の頭を優しく撫でながら、
これから向かう先へ、
光とともに誘ってくれているようだった。

空を見上げる。
明るく、眩しい太陽。
どこまでも広がる、輝く空。
遠くに連なる山々も、
朝の光を受けて美しく輝いている。
夏が輝いている。

新しい一日も、
これから向かう場所も輝いている。
だから私も、
その光の中で、
私らしく輝いていたいと思った。