四日ぶりに迎えた横浜の朝。
海辺に立つと、
神々しくも神秘的な太陽の光が降り注ぎ、
頬をなでる風が優しく吹き抜けていく。
潮の香りを胸いっぱいに吸い込み、
自然に抱かれるような時間。
その美しさに、
私はただ静かに立ち尽くしていた。
言葉はいらなかった。
この感動の景色を、
心の一番深い場所へ刻み込みながら、
私は朝の一歩を踏み出した。
その瞬間、ふと昔参加した講演会で、
最後に語られた言葉を思い出した。
「体の疲れは休めば治る。
心の疲れを治すのは、心動く体験をすること」
今、その意味が痛いほどよく分かる。
本当に心が動く景色に出逢うと、
心の奥に溜まっていた
ドロドロとしたわだかまりが、
まるで波に洗い流されるように消えていく。
そして、新しい心が生まれる。
だから私は、美しいもの、新しいもの、
心を揺さぶるものに出逢うたびに、
わくわくする。
感動とは、心が生き返る瞬間なのだと思う。
今朝、そのことを身をもって体験した。
この感動に心を揺さぶられながら、
私は今日も新しい物語を歩き始めている。
四日ぶりの中華街も、どこか懐かしかった。
金色、赤色、朱色。
その鮮やかな三色が織りなす景色を見ると、
「横浜へ帰ってきた」という実感が
自然と湧いてくる。
私は昔から朱色が好きだ。
神社の鳥居を思わせる、
あの神聖で気高い色。
その色を見るたびに、
神々しい光や、
目には見えない神様の息吹を感じる。
だから私にとって中華街は、
ただの観光地ではない。
そこには、媽祖様と関帝様という、
心の中の神様がいらっしゃる。
四日ぶりにお参りをし、
いつものように静かに手を合わせた。
そして帰ろうと門をくぐろうとした、
その時だった。
ふと、
一輪の濃いピンク色の花が目に留まった。
四日前には咲いていなかったような気がする。
私が横浜を離れている間に咲いたのだろうか。
その可憐な姿に心を奪われ、
PictureThisで調べてみると、
それはサルスベリ(百日紅)だった。
名前の由来は、
サルも滑り落ちるほど幹が
つるつるしていることから。
そして「百日紅」という漢字は、
百日ほど長く咲き続けることに
由来しているそうだ。
私が魅つめていた花は、
濃いピンク色で、
小さな花びらがふんわりと集まり、
何とも言えない可愛らしさを放っていた。
花言葉は「愛嬌」
その意味を知ると、思わず笑顔がこぼれた。
朝から、また一つ心が動いた。
朝そば屋さんへ向かう頃には、
心だけでなく、お腹まで空っぽになっていた。
神々しい景色に深く心を奪われ、
余韻に浸りながら歩いていたせいか、
気づけば到着時間がいつもより
10分ほど遅れていた。
店の前に着くと、待つことなく、
店員さんがすぐ注文を聞きに来てくださった。
「冷やし長茄子そば、ネギ多めで。
あと、イカ天もお願いします」
少し驚いたような表情をされた。
でも今日は、
なぜか思い切り食べたい気分だった。
自宅では、
この数日、十割そばを何度もいただいていた。
冷たい十割そばには、オクラとネギ。
家族と過ごした最後の昼食には、
温かい十割そばに、
エビ天、イカ天、ミョウガ、三つ葉を添えた。
暑さが続くこの季節になると、
大好きなにしんそばよりも、
冷たいそばが恋しくなる。
さっぱりしたそばに、爽やかな薬味。
そこへ油をほどよく含んだ長茄子が加わると、
実によく合う。
このお店の冷やしそばは、
肉を使ったもの以外はほとんどいただいた。
その中でも、やはり一番好きなのは、
最初に感動した「冷やし長茄子そば」
そこへ私の大好きなイカ天を加えれば、
きっと最高の一杯になる。
もちろん、
カロリーも最高かもしれないけれど。
四日ぶりの朝そば時間。
やっぱり、この時間が好きだ。
神々しい朝の光に包まれたあとに
いただく一杯のそばは、
どこか縁起がよく、心まで満たしてくれる。
お腹いっぱいになり、
心も満たされた私は、
再び四日ぶりの大岡川、
そして野毛の街へ向かって歩き始めた。
今日という新しい物語は、
まだ始まったばかりである。
感動が、心を洗い、新しい一日を始める✨
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