ベランダでぼんやりしていた
時間が長すぎたのか。
日記に書きたいことが次々と浮かび、思いのほか時間がかかってしまったのか。
それとも、横浜から一緒に帰ってきた風に、
私の家のことを
もう少し教えてあげたかったのだろうか。
ここから魅える景色を、
風と一緒にもう少し
眺めていたかったのかもしれない。
時間が経つのは、本当に早いものだ。
気がつけば、
1時間ほどがあっという間に過ぎていた。
今日の私の体には、
熱中症注意報のアラームが
鳴っていたような気がする。
それなのに、
またこうしてベランダで長居をしていたら、
再び体の中で注意報が鳴り響くかもしれない。
でも、気温は先ほどの30度から、
4度ほど下がったようだ。
さっきまでまとわりついていた
生ぬるい空気の中に、
少しずつ涼しさが混じり始めている。
やわらかな風が髪を揺らし、
頬を撫で、私の体をそっと包んでくれた。
一日の終わりに、
風が私を呼んでいる。
空が私を呼んでいる。
夜が私を呼んでいる。
月が私を呼んでいる。
深い暗闇の中へ、優しく誘っている。
なんて、思わず
歌いたくなるような気分だった。
でも、あ、だめだめ。
そろそろ、
ご褒美のショートドラマを観なくては。
またここで風と遊んでいたら、
気づかないうちに時間が過ぎてしまう。
だって、先ほどより気温が下がり、
ベランダはだんだん居心地のよい場所へと
変わってきているのだから。
名残惜しいけれど、
今夜はそろそろ部屋へ戻ろう。
横浜から連れて帰ってきた風には、
我が家の景色を
十分に見せてあげられただろうか。
ここが私の帰る場所なのだと、
伝わっただろうか。
風は何も答えず、
ただ最後にもう一度、
髪をふわりと揺らして通り過ぎていった。
まるで、
「よく分かったよ。また明日ね」と
囁いているようだった。
それでは今から、
大きなふかふかのソファに
だらりと寝そべりながら、
寝る前のご褒美タイムといこう。
もう頑張らなくていい。
あとは好きなショートドラマの世界に
心を預けて、
ゆっくりと夜にほどけていくだけだ。
風を見送り、ご褒美の物語へ✨
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