パワースポットで
日の出を見ることはできなかった。
でも、その代わりに、
月というもう一つの神秘的な光を
浴びることができた。
その静かな輝きは、
前だけを見て歩くのではなく、
ときには後ろを振り返ることの大切さを、
そっと私に教えてくれた。
そして、
「今日という新しい一日へ進みなさい」と、
優しく背中を押してくれたような気がした。
私はまた、一日の物語を歩き始める。
風が私を呼んでいる。
鳥が私を呼んでいる。
雲が私を呼んでいる。
木々が私を呼んでいる。
自然界のすべてが、
一つの歌になって私の心へ
語りかけてくるようだった。
不安もある。期待もある。
その相反する気持ちを胸に抱きながらも、
足取りは不思議と軽やかだった。
風は吹いているとはいえ、気温は高い。
歩き続けた身体はすっかり火照っていた。
そんなときに立ち寄るコンビニの冷房は、
まるで砂漠で見つけたオアシスのようだった。
最近のお気に入りは、「バター餅」
最初はカヌレだと思って手に取った。
でも食べてみると、
どこか似ているようでいて、
まったく違う食感だった。
よく見ると、
カヌレ型で焼いた韓国で話題のお菓子だという。
これが何とも言えず美味しい。
見た目の満足感のわりに、
カロリーも思ったほど高くない。
ウォーキングの途中、
写メ日記を書きながら、
小腹を満たすには
ちょうどいい相棒になっている。
公園のベンチに腰掛け、
風を感じながら今日も写メ日記を書く。
書き始めると、
いつも自分だけの世界へ入り込んでしまう。
気づけば文章は長くなり、
一人よがりな表現になってしまうこともある。
でも、今はそれでいい。
自分の心が動いた瞬間を、
そのまま素直に言葉へ残せることが
何より大切なのだから。
推敲を重ねるうちに、
いつの日か少しずつ洗練された文章に
なっていけば、それで十分だと思っている。
いつもお参りしている場所へは、
遥か遠い横浜中華街。
だから、近くの神社へ立ち寄った。
鐘を鳴らし、一礼二拝。
今日一日、家族が無事に過ごせますように。
静かに手を合わせ、
お香の香りを全身にまとって家路についた。
その香りと風は、
まだ私の周りを優しく包み込んでいた。
けれど、自宅が近づくにつれて、
夢のような時間は
少しずつ現実へと姿を変えていく。
頭の中では、
仕事のスイッチがゆっくり入り始める。
朝食の準備。出社までの支度。
会社へ着いてからの予定。
限られた時間の中で、
どの順番なら一番効率よく動けるかを、
自然と頭の中で組み立て始めていた。
そんな慌ただしさも、私は嫌いではない。
むしろ、一日の歯車が音を立てて回り始める、
この瞬間が好きなのだ。
「あっ、玉子があと三個しかない」
だし巻き玉子に二個。
私の目玉焼きに二個。
一個足りない。
ちょうど帰り道にはローソンがある。
玉子を買って帰ろう。
そういえば、
さっき食べたバター餅が
あまりにも美味しかった。
もう一つ買って帰ろうかな。
そんな小さな楽しみを胸に、
私はまた歩き出す。
夢の世界から現実へ。
それでも、朝、私を包んでくれた風は、
まだ静かに私のそばを歩いていた。
その風を胸いっぱいに抱きしめたまま、
私は今日という新しい一日へ、
軽やかな一歩を踏み出していく。
今日の成果は、12,000歩を超えたものの、
10 kmにはあと1 km届かなかった。
少しだけ心残りはあった。
でも、その代わりに私は、
美しく神秘的な月に出逢うことができた。
月は静かに、前だけを見つめるのではなく、
ときには後ろを振り返ることも
大切なのだと教えてくれた。
その優しい光を胸に、
風とともに、
今日という新しい物語を歩いていこう。
さあ、今日も一日を歩き始めよう。
風がつないでくれた、夢と現実のあいだ✨
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