ご予約をいただいた19:00の、
10分前になった。
そろそろ、大通り公園へ向かおう。
外へ出ると、
昼間の強い日差しは、
もうどこかへ影を潜めていた。
通りを抜けていくのは、
肌をそっと撫でるような、柔らかな風。
涼しい。
気持ちいい。
あれほど暑かった昼間が、
まるで嘘のようだった。
つい先ほどまで私がいた町は、
こちらよりも気温が4度も高かった。
その焼けつくような暑さを思えば、
今、私の頬に触れているこの風は、
天から届けられた贈り物のように感じられた。
昼間はゆっくり聴くことのできなかった
「千鳥」を聴きながら、通りを歩く。
風が私を呼んでいる。
私が風を呼んでいる。
やはり、風はいい。
心の奥にまで静かに入り込み、
張り詰めていたものを、
そっとほどいてくれる。
そして今日、最初のドアが開いた。
爽やかな笑顔が素敵で、
すらりとした姿がとても格好いいあなたが、
私を迎えてくださった。
「綺麗な人でよかった」
「かわいいね」
そんな言葉を、
何度も惜しみなく届けてくださる。
四日ぶりの出勤で、
少しだけ緊張していた私の心は、
そのたびにふわりと軽くなり、
気づけばすっかり有頂天になっていた。
私、「かわいい」と言っていただくのが、
とても好きなのだ。
あなたは、パンストがお好きなのだという
「私、いつもベージュのパンストを
履いているのよ」そう伝えると、
あなたはとても嬉しそうに笑った。
「今日は、イチャイチャして、
恋人のような時間を過ごしてもいい?」
そう尋ねるあなたに、
「いいわよ」と、私は微笑んだ。
あなたが、優しく私に触れる。
胸の鼓動が、少しずつ速くなっていく。
そして私も、あなたへとそっと触れていった。
私の触れ方を、
あなたが心地よいと
感じてくださることが嬉しかった。
その嬉しさは、
いつの間にか、
私自身の喜びへと変わっていた。
たくさんのおしゃべりもした。
何を話していても、とにかく楽しかった。
あなたがかけてくださる一つ一つの言葉が、
私の心の中に、
心地よい風を吹かせていた。
あなたとお別れした後、
夕闇に染まりゆく街並みを眺めながら、
私は外で日記を書いていた。
恋人のように寄り添って過ごした、
先ほどまでの時間を思い浮かべながら。
気持ちのよい風が、
通りをまっすぐに駆け抜けていく。
その風は私の頬を撫で、
髪をさらい、
ふわり、ふわりと夜の中へ舞い上げた。
私の髪だけではない。
あなたと過ごした
時間の余韻に包まれた私の心も、
いまだ風の中を、
ふわふわと舞い続けているようだった。
またお逢いできる日を、
楽しみにしています。
その日もきっと、風が私たちを呼んでくれる。
風にほどける恋人時間✨
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