きりのいいところで会社の仕事は片付いた。
とはいえ、お店に向かったのは
思っていた以上にぎりぎりだった。
お客様はすでに入室されているようで、
少し焦りながら足を速める。
それでも、なんとか時間どおりに間に合った。
大通り公園を歩いていると、
真夏の陽射しが容赦なく降り注いでいた。
あまりの暑さに日陰へ目を向けると、
一羽の鳩がちょこんと座っている。
よく見ると足を折りたたみ、
お腹を地面につけてじっとしていた。
「鳩も、お腹を冷やしているのかな」
そんなことを思ったら、
思わず頬が緩んだ。
人も動物も、この暑さの中では
同じように涼を求めているのだと思うと、
その何気ない光景が
なんとも愛おしく感じられた。
そして、今日最初のドアが開いた。
迎えてくださったのは、
すらりと背が高く、
笑顔がとても素敵なあなた。
最初に掛けてくださった言葉は、
「わあ、すごく綺麗な人」
その一言に、緊張していた心が
ふっとほどけていった。
初めてお逢いする方には、
いつも少しだけ不安がある。
思っていた印象と違ったらどうしよう。
気が合わないと思われたらどうしよう。
そんな思いが胸のどこかにあるからこそ、
最初にいただいた優しい言葉が、
とても嬉しかった。
ご挨拶を交わしているだけなのに、
自然と会話が弾み、
お互いの距離が
少しずつ近づいていくのを感じていた。
そして、あなたはとても優しく、
柔らかな手で私に触れてくださった。
その繊細で穏やかなタッチは、
まさに私の好きな感覚だった。
次は私の番。
私もあなたに寄り添うように、
そっと、優しく触れていく。
あなたが心地よさそうに
微笑んでくださるたび、
私の心まで温かく満たされていった。
年齢も近く、話も合う。
初めてお逢いしたとは思えないほど自然で、
穏やかで、とても心地よい時間だった。
長い時間をご一緒してくださって、
本当にありがとうございました。
またお逢いできる日を、
今から楽しみにしています。
ホテルを出ると、
昼間の陽射しはさらに力強さを増していた。
それでも日陰へ入ると、
ふわり、ふわりと風が通り過ぎ、
髪を優しく揺らしていく。
その風は、
先ほどまで一緒に過ごしていた
穏やかな時間の余韻を、
もう一度そっと運んできてくれたようだった。
私はその風に身を委ねながら、
静かな幸せを胸いっぱいに抱いて、
次の物語へと歩き始めた。
今日の最初のドア✨
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