20時を少し過ぎた頃から、
睡眠貯金をしていた。
メールの着信音でふと目が覚める。

ちょうど一時間ほど眠っていたのだろうか。
寝不足気味だった身体も、
少しだけ軽くなったような気がした。
どうやら、お仕事が入ったようだ。

送迎の車に乗り、ホテルへ向かう。
今夜は外の風がとても涼しかったから、
歩いて向かっても
きっと気持ちよかっただろう。
でも、こうして車に揺られて
向かう時間も悪くない。

少しだけ身体を休ませながら、
窓の外へ視線を向ける。
車は、いつも歩く横浜港の方へと進んでいく。
窓の向こうに広がる夜景は、
朝に魅る景色とは
まったく違う表情を魅せていた。

海に映る光が静かに揺れ、
街の灯りが夜を優しく彩っている。
その美しさは、どこかロマンチックで、
胸の奥まで穏やかな気持ちにしてくれた。

そして私は、
次のドアのあなたのもとへ向かった。
あなたは、エレベーターホールまで
迎えに来てくださっていた。
扉が開くと、すぐ目の前で、
優しい笑顔が私を迎えてくれる。

「森村です。本日はありがとうございます。
よろしくお願いいたします」
そうご挨拶すると、
あなたも私以上に丁寧な口調で
「よろしくお願いします」と
返してくださった。

その一言だけで、
あなたのお人柄が
静かに伝わってくるようだった。

最初は少し緊張されていたのだろうか。
私からそっと距離を縮めると、
あなたは何も言わず、
静かに身を委ねてくださった。
「気持ちいいですか」
そう尋ねると、
少し照れたように、
それでも素直に「とても気持ちいいです」と
微笑んでくださった。

その笑顔を見た瞬間、
私の心もふっと軽くなった。
その後は、いろいろとご希望を伺いながら、
どうすればもっと
心地よく過ごしていただけるだろうと、
私なりにあれこれ考え、
一つひとつ心を込めてお応えした。
喜んでいただけていたなら、とても嬉しい。

やがて、穏やかな時間は静かに流れ、
窓の向こうには横浜の海と、
美しく輝く夜の灯り。
その景色に包まれながら、
忘れられないドラマティックな夜となった。
ありがとう、あなた。
またお逢いできる、
その日を楽しみにしています。