お客さまとお別れしたあと、
またすぐにご予約をいただいていたので、
次のホテルへ向かおうとした。

ところが、次も同じホテル。
そのまま次のお部屋へ向かうのも、
なんだか味気ない気がして、
一度ホテルの外へ出た。

外の空気に触れながら、
さっきまでの時間を日記に綴り、アップする。
ひとつの物語をきちんと閉じてから、
次の物語へ。

そして再びホテルへ戻り、
あなたの待つお部屋へと向かった。
次のドアが開きました。
そこには、優しくて愛らしい笑顔の
あなたがいた。

「わあ、久しぶり。
また来てくれたなんて、すごく嬉しい」
そう言うと、
「ちょうど二ヶ月ぶりだね」とあなた。

二ヶ月。
初めてお逢いしたとき、
いろんなお話を聞かせていただいたことを、
私はちゃんと覚えていた。
あの日のことが、
まるで昨日のことのように蘇ってくる。
そして、
相変わらず頑張っているあなたを見ていると、
やっぱりすごいな、と思った。

ソファに並んで座り、
少しずつ近づいていく二人の距離。
一枚ずつ服を脱がされていく、
そのゆっくりとした時間が、
なぜだかいつも以上にドキドキした。

ほんの少し
シチュエーションが違うだけなのに、
それだけで妙に艶っぽく感じられてしまう。

そしてベッドへ。
今度は私から、あなたへ。
優しく、ゆっくり。
あなたの表情を魅つめながら、
そっと触れていく。

「やばい、やばい」そう言いながら
感じてくださるあなたが、
なんだかとても可愛らしくて、
私は嬉しくなった。

気持ちよさそうにしているあなたのお顔を
魅つめながら過ごす時間も、
私には幸せな時間だった。

そして今度は、あなたから私へ。
優しく触れられ、ぎゅっと抱きしめられる。
その腕の中で、
ドキドキ、ときめいている私がいた。

不思議だった。
初めてお逢いしたあの日から
二ヶ月しか経っていないのに、
今日はあのときより、ずっとずっと近い。
心の距離まで、
いつの間にか近づいていたような気がした。

あなたの腕枕に頭を預け、
その腕の中にすっぽり包まれながら、
いろんな話をした。
話も合う。
笑うところも、なんとなく似ている。

触れ合っている時間だけではなく、
こうして何でもない話をしている時間まで
心地いい。
それが、とても嬉しかった。

そして、お別れの時間。
まだ少しここにいたい。
そんな心残りを胸のどこかに残しながら、
「また逢いに来てね」と言った。
「うん」そう頷いてくれた
あなたの優しいお顔が、
今も目に焼き付いている。

二ヶ月ぶりの再会は、
二ヶ月という時間を埋めるだけではなく、
あの日より少し近くなった二人を
感じさせてくれる時間だった。
とても嬉しい再会だった。

ホテルを出ると、雨がぽつぽつと降っていた。
でも、大丈夫。
日傘を持っているもの。
そして――ふわり、ふわり。
私のところへ、
風が戻ってきた。

ああ、風さん。
ホテルの中にいるあいだは、
あなたと戯れることができない。
でも、こうして外へ出ると、
ちゃんと迎えに来てくれる。

「お帰り」そう言いながら、
私の頬を撫でてくれているようだった。
ほっとする。
この風に包まれると、
私はまた私に戻っていく。

雨の匂いと、柔らかな風。
胸の中には、
さっきまで腕の中にいたあなたの温もり。
その二つを抱えながら、
私は歩き始めた。

……なんて余韻に浸っていたけれど。
お腹、空いた。
風さん、急いで。
早く待機所へ帰りたいの。
さあ、私を風に乗せて連れてって。