雨がポツポツと落ち始める中、
待機所へ戻った。
まずは晩ご飯。
今日のおにぎりは、
金目鯛の炊き込みご飯だった。
それを食べて、メイクを直したら、
急に眠気がやってきた。
時刻は18:30頃。
21:00からご予約をいただいていたので、
アラームを20:30頃にセットした。
「二時間くらい眠れるかな」
そう思いながら、睡眠貯金。
横になったら、
たぶん私はあっという間に
眠ってしまったのだと思う。
次に気づいたのは、アラームの音だった。
予定どおり、きっちり二時間。
目を覚ました私は、
ご予約が終わって戻ってくる頃には
23:00を過ぎているだろうと思い、
すぐ撤収できるように身の回りを片づけた。
そして、あなたの待つホテルへ向かった。
外へ出ると、
雨はいつの間にか本降りになっていた。
今日は出かける時には降っていなかったから、
ビニール傘を持ってきていない。
小さな折りたたみ傘では
足元まで守りきれず、
歩くたびに少しずつ濡れていく。
「ああ、気持ち悪いなあ」
そんなことを思いながら、雨の夜を歩いた。
今夜のあなたは、初めてお逢いする方。
けれど、事前にお気にトークを
くださっていたから、
不思議と緊張よりも安心感の方が大きかった。
どんな方なのだろう。
雨の中を歩きながら、
私はお逢いできるのを楽しみにしていた。
そして、次のドアが開きました。
もしかしたら、
今日最後の出逢いになるかもしれない。
そんなことを思いながら
開いたドアの向こうで、
とても優しい笑顔のあなたが、
本当に嬉しそうに迎えてくださった。
そのお顔を見た瞬間、私まで嬉しくなった。
私に逢えたことを、
こんなに喜んでくださっている。
そう感じたら、
私の嬉しさまでどんどん膨らんで、
思わずご挨拶代わりにあなたへ抱きついた。
するとあなたも、少し驚きながら、
それ以上に嬉しそうに私を迎えてくださった。
その反応がまた嬉しくて、
私はますます舞い上がってしまった。
「お風呂、一緒に入ってもいいですか?」
そんなふうに謙虚に尋ねるあなたが
おかしくもあり、可愛らしくもあり、
「もちろんよ」と笑った。
そして二人でお風呂へ。
そのあと、ベッドでは
私の方からあなたに優しく触れた。
「気持ちいい」そう言いながら、
嬉しそうに感じてくださる
あなたのお顔を魅ていることが、
いつの間にか私自身の喜びになっていた。
やがて、「交代しよう」と、
今度はあなたの番。
初めてお顔を魅た時に感じた印象そのままの、
優しくて温かな手だった。
そっと、ゆっくり。
その優しさに包まれながら、
やっぱり私、優しいのが好き。
そんなことを思っていた。
もしかしたら、
あなたより私の方がたくさん幸せを
もらってしまったかもしれない。
そして最後は、あなたに抱きしめられて。
外は、夏の雨が降り続いている。
雨に濡れる、静かな夏の夜。
初めて逢ったはずなのに、
不思議なくらい穏やかで、温かかった。
また、こんな素敵な夜を
一緒に過ごせたらいいな。
そんなことを思いながら、
あなたとお別れした。
ホテルを出ても、雨はまだ降り続いていた。
そして、さっきより風が強くなっている。
涼しいというより、少し寒いくらい。
傘を持つ手に力を入れながら歩き始めると、
その風が私のところへ駆け寄ってきた。
ああ。私の風が、迎えに来てくれた。
今日も、ちゃんと待っていてくれたのね。
ありがとう。
雨の夜も悪くない。
だって最後には、
あなたが迎えに来てくれるから。
じゃあ――一緒に帰ろうね。
雨の夜、優しさに包まれて✨
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