それから、
またすぐにご予約をいただいていた。
次のご予約までは、あと10分。
お腹が空いた。
さっきのおにぎりだけでは、
やっぱり足りなかったみたい。
もう一つおにぎりを
取りに戻りたかったけれど、
そんな時間はない。
どうしよう。
そうだ、からあげクン。
18日から発売される
ご当地からあげクンまでは
我慢しようと思っていたのだけれど、
今の私には、
そんな悠長なことを言っている余裕はない。
空腹には勝てません。
急いでコンビニへ駆け込んだ。
時間が時間だからなのか、
からあげクンの種類は
あまり残っていなかった。
でも、レッドがどうやら揚げたてみたい。
よし、今日はこれ。
からあげクンレッドを買って、
すぐ近くのコインパーキングへ。
柵のところにちょこんと腰掛けて、
一つを口の中へ放り込んだ。
「あち、あち、あちちちち!」
熱い!
むっちゃ熱い!
こんなに熱々のからあげクン、初めて食べた。
これは、しばらく置いておかないと無理だわ。
口の中が火傷しそうと思いながら、
スマホを取り出した。
日記を書きながら、
少し冷めたからあげクンを食べて、
お茶を飲む。
日記。
からあげクン。
お茶。
そして時計。
なんとも慌ただしい私の10分間。
それでも、きっちり10分。
さあ、行かなくちゃ。
そして、次のドアへと向かった。
次のドアが開きました。
中から顔を出したのは、
なんとなくおしゃれで、
どこか可愛らしいあなた。
愛嬌のある笑顔が、とっても素敵だった。
ところが、お会いして早々、
「後ろ向いて」と言われた。
え?と思いながら後ろを向くと、
そのまま後ろから抱きしめられた。
ちょっとびっくり。
どうやら、後ろから
見てみたかったものがあったみたい(笑)。
そして今度は、
「森村さんにお願いがあるけど、いい?」
とあなた。
「なあに?」と聞いてみると、
一つどころか、
次から次へとお願いが出てくる。
でも、そのお願いをしているときの
あなたの顔が、
なんとも可愛らしい。
だから、一つを除いて、全部聞いてあげたわ。
そして、私の拙いマッサージも、
とても気持ちよさそうに受けてくださった。
そのうち、甘えるように私に抱きついて、
「森村さん、森村さん」と呼んでくる。
ふふっ。
年下の男の子に、
そんなふうに名前を呼ばれながら
抱きつかれるのも、
なかなか気分がいいものだわ。
可愛らしい人。
そう思っていた。
でも、あなたは可愛いだけじゃなかった。
年下なのに、
とてもよく気を遣ってくださって、
さりげなく私をエスコートしてくれる。
あら。
なかなか男前じゃない。
可愛らしさと男前なところ。
その両方を持っているあなたとの、
楽しい時間だった。
またお逢いできる日を、楽しみにしています。
そして、ドアが閉まりました。
ホテルを出ると、
雨はまだ降っていなかった。
今日は続けてご予約をいただいて、
ずっと次の時間を気にしながら
動いていたから、
心にもあまり余裕がなかった。
でも、ホテルを出た瞬間。
ようやく少しだけ、
時間に追いかけられなくても
いいような気がした。
そして、そのとき初めて気づいた。
ああ。
私の風さん、ずっと待っていてくれたんだ。
ごめんね。
今日はずっと慌ただしくて、
あなたのことを感じる余裕もなかった。
風さん。
とりあえず、
溜まっている日記をささっと書いちゃうから、
もう少しだけ待っていてね。
書けたら、一緒に待機所へ戻ろう。
今度こそ、少しゆっくり。
風と一緒に。
あちちの10分、そして次のドア✨
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