遅れないくらいの時間の余裕を見て、
外へ出た。
エレベーターの扉が開き、
二階から一階への階段を降りると、
風さんより先に二本の木が私を迎えてくれた。
そして、ヒューッ。
待っていたかのように風さんがやってきた。
「どうしたの、今日は?」
「うーん。なんだか
もう少し寝ていたほうがいいような気がして。
三時間ほど睡眠貯金してきたの」
いや、睡眠貯金というより、
体を休ませて、
その間に体の中に
頑張ってもらっていたのかもしれない。
「でも、なんだか元気そうだよ。
朝は寝ぼけてるみたいだったから」
そうだった?……いや、確かに寝ぼけていた。朝、一度は外へ出て歩いてきたはずなのに、
不思議なことに今は、
今日初めて外へ出てきたような気分だった。
風さんは、久しぶりに会った私が珍しいのか、
元気になったことが嬉しいのか、
それとも心配していたのか、
私の周りをぐるぐる、
ぐるぐる回って離れない。
なんだか嬉しいな。
いつもの私なら、
食べすぎ飲みすぎで
大切な時間を潰してしまった、
と落ち込んでいたかもしれない。
でも今日は、なぜかそう思わなかった。
だって明日の朝も始発に乗るために、
三時には起きなくてはいけない。
帰ってからも少し忙しい。
もしあのまま無理をしていたら、
体がもたなかったかもしれない。
眠すぎて何か失敗をしていたかもしれない。
そう考えたら、
あの三時間は私にとって、
貴重な、貴重な三時間だった。
ふと思った。
あれは、私から体への
優しいプレゼントだったのかもしれない。
お店近くのコンビニまで来た。
いつもなら、
ここでお気に入りのカレースナックを買い、
待機所で食べるのを楽しみにしながら、
ニコニコして袋を提げてお店へ向かう。
でも今日は、欲しくない。
カイザーパンなら少し食べたい気もする。
だけど、あれほど好きだった硬めの食感さえ、
今は噛むのが
なんだか疲れそうに思えてしまう。
面白いな。
体の具合ひとつで、
好みまで変わってしまうなんて。
今の体が欲しがっているものは、
食べ物ではなく、
もう少しの休息なのかもしれない。
さあ、早く自分の居場所を作ろう。
そしてもう少しだけ横になって、
ゆっくりしよう。
三時間のプレゼントで
少し元気を取り戻した体を、
今度は私自身が大切に守りながら、
横浜ステイ最後の一日を歩いていこう。
体への三時間のプレゼント🎁
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