今日の私の居場所を作り、
ゴロリと横になった。
ささっと日記をアップして、
またむくっと起き上がる。
そろそろ、お腹に何か入れようかな。

それでも手が伸びたのは、
カイザーパンではなく、
明太子の入った白いおにぎりだった。
いつもなら炊き込みご飯のおにぎりの方が
好きなのに、
今日はそれさえ欲しくない。
どうやら今の体は、
なるべく白く、
素朴なものを求めているらしい。

体に優しい三時間のプレゼントのあとは、
体に優しい食べ物。
なんだか、
ちゃんと自分の体と相談しながら
今日を過ごしているみたいだった。

そろそろ9月の出勤スケジュールも
連絡しなくちゃ。
手帳を広げ、取りかかろうとした、
そのとき。
メールの着信。
お仕事が入った。

少し時間がある。
今日はとても涼しいから、
早めに外へ出て、
風さんと一緒に待っていよう。

14時45分からご予約くださったあなた、
ありがとうございます。
まだ見ぬあなたは、どんな方なのだろう。

向かうのは、海の方のホテル。
今朝歩いてきたばかりの海なのに、
三時間の眠りを挟んだせいか、
もう昨日のことのようにも感じる。
素敵な景色を眺めながら、
穏やかな時間になりますように。
そんなことを思いながら車に乗り、
あなたの待つホテルへ向かった。

そして——
こうして、今日の最初のドアは、
まだ見ぬあなたと二人で開けました。
あなたはエレベーターホールまで
迎えに来てくれた。
素敵な笑顔。
爽やかで、明るくて、
なんだかとても大らかな人だなと思った。

羽織っていたアロハシャツからも、
広くゆったりとした
大地のような印象を受けた。
明るくて大らかなあなたに、
とてもよく似合っていた。

お部屋に入り、
その明るい口調に誘われるように、
二人でいろいろな話をした。
あまりに楽しくて、
お店への連絡を
うっかり忘れてしまうほどだった。

「気持ちよくして」そんなあなたの言葉に、
任せて、とでも言うように、
私はそっと優しく触れていった。
あなたが気持ちよさそうに
喜んでくれることが、
私には嬉しかった。

けれど不思議だった。
あなたを癒しているつもりだったのに、
あなたの放つ
大地のようなおおらかな空気に包まれながら、
いつの間にか私の方まで癒されていた。
ありがとう、あなた。

またこちらへ来ることがあれば、
もう一度お誘いを待っていますね。

少し時間があったので、
ホテルから外の景色を眺めた。
ああ、あれは以前泊まったことのある、
思い出のインターコンチ。
そして、こちらはお店に入った頃、
デートコースで
お誘いいただいたときに見せてもらった、
ランドマークへと続く景色。
懐かしいな。

でも、よく考えてみれば、
ここは私が毎朝歩いている場所の
すぐそばなのだ。
そう思ったら、
今朝、寝ぼけた頭で歩いていた自分の姿が、
まだどこかに残っているような気がした。

そこへ風さんがやってきた。
「まあ、こんなところにいたの?」
「まだ少し時間があるから、
横浜らしい景色を眺めていたの。
夜景もロマンチックだけれど、
昼間も素敵ね。なんだか心まで弾んじゃう」

あちこちを飛び回っている風さんには、
もう見慣れた景色なのかもしれない。
それでも私は、
少し懐かしくて、
少し新しい横浜を眺めながら、
風さんとおしゃべりをしてホテルを後にした。