朝5時12分。
本日の森村探検隊、
かなり早い時間から活動開始。
しかも、
最初から順調だったわけではない。
むしろ、
朝いちばんで少々つまずく。
だがしかし。
こんなことで
探検隊は撤退しない。
本日の任務はただひとつ。
机上にそびえる山を、
日没までに制圧せよ。
久しぶりの会社。
一週間ぶりともなれば、
デスクには
あれこれと細かなものが積もっている。
書類。
確認物。
返事待ち。
あとで見ようと思っていたもの。
ひとつひとつは小さい。
だが、
集まると立派な山になる。
モリリン、
まずは第一峰へ。
「これは今日中」ぱさっ。
「これは後日」ぱさっ。
「これは今、返事」かたかたかた。
「これは……誰が置いた?」
しばし沈黙。
そして、
なぜか自分で置いたことを思い出す。
第一峰、無事突破。
続いて会議。
さらに昼食会。
ここで本日の
予想外イベント発生。
和食弁当、
おいしい。
かなりおいしい。
しかも、
しっかりお腹いっぱい。
ただしお刺身は残す。
モリリン、心の報告。
「満腹により機動力、
やや低下しております」
それでも任務は続く。
デスクに戻れば、
第二峰が待っている。
メール。
書類。
確認。
整理。
またメール。
モリリン、
右へ左へ大忙し。
しかし今日は不思議と、
手が止まらない。
朝は少々しくじったはずなのに、
気づけば
てきぱき、てきぱき。
ひとつ終えるたび、
机の向こう側が
少しずつ見えてくる。
そしてついに。
「隊長!」
「どうした!」
「机上の山、
かなり低くなっております!」
「なにっ!」
見ると、
いや、
魅ると、
朝には確かにそびえていた山が、
いつの間にか
小さな丘ほどになっている。
モリリン、
ここで胸を張る。
「本日、山岳地帯ほぼ制圧!」……と
言いたいところだが、
まだ最後の任務が残っている。
13時半から来客。
約1時間。
ここを越えれば、
今日の会社任務はほぼ終了。
モリリンの脳内には
すでに次なる作戦が浮かんでいる。
14時台。
最終確認。
デスク周辺点検。
忘れ物確認。
そして目標、15時、帰還。
しかも今日は、
デパ地下への寄り道なし。
家族が
買い物を済ませてくれているらしい。
モリリン、
一瞬だけ戸惑う。
「えっ」
「寄り道なし?」
「探検は?」
「甘味は?」
「何か発掘しなくていいの?」
いいのです。
本日の最終探検地は、自宅。
荷物を片づける。
3日からの荷物をまとめる。
晩ご飯の支度をする。
そして何より、
何もしない時間を発掘する。
これが、
本日最後にして
最大のミッション。
朝5時12分から
働き続けた頭を休ませる。
何かを片づけるためではなく、
ただ座る。
ただぼんやりする。
ただ、
家の時間に戻る。
モリリン、
最後に作戦ノートへ記す。
「本日の成果。
机上の山、ほぼ制圧。
森村本体、よく働いた。
午後は速やかに帰還せよ」
そして追記。
「自宅にて、
余白発掘任務に移行する」
— Morimura
森村探検隊 |机上の山を制圧せよ✨
勃つねで応援-
-
共有で応援