……あれ?

ちょっと待って。

暖簾、
まだ出たままじゃない?

昨日の夜、
「さて、そろそろ営業終了にしようかな」
なんて思っていたはずなのに。

その前に私は、
若様の世界へ行こうと思って、
ソファにゴロンと横になった。

よし。今夜こそ、
あの群青の扉を開けよう。

そう思って、
扉に手をかけた。

……ところまでは覚えている。

でも。開けられなかった。

そのまま、
20時頃からソファで、こてん。

一度ふと目を覚まして、
今度はちゃんと布団へ移動しようとした、
そのとき。

「あっ」思い出した。

晩ご飯のことと、
今から若様の扉を開けよう、
と書いた夜の日記。

まだアップしていなかった。

眠たい目のまま、
そこだけは忘れずにアップ。

よし。

これで大丈夫。
そう思って、
布団へ移動したのが21時頃。

そして。再び、

こてん。
はい。森村、

二段階寝落ちです。

しかも。若様の扉は、
開けるどころか、
手をかけたところで止まったまま。

モリリン、
完全に出番を失いました。

ということで。

ただいま、
午前2時40分。

こんな時間ですが、
遅ればせながら参ります。

昨日は、
朝からよく動きました。

慌ただしく始まって、
仕事をして、
家に帰って、
荷物を片付けて、
また次の準備をして。

八日ぶりの食卓では、
魚がおいしくて、
味噌汁がほっとして、
他愛もない会話に笑って。

夜にはベランダへ出て、
群青の空を魅て、
風に吹かれて。

心の中にも、
小さな灯が残っていた。

だからこそ、「今夜こそ、
心おきなく若様の世界へ」
そう思っていたのに。

現実は。

ソファで、こてん。

一度起きて、
夜の日記をアップして。

布団へ移動して、
また、こてん。

暖簾のことは、
きれいさっぱり忘れていました。

モリリン、
これは完全に想定外です。

まあ。

それだけ一日、
しっかり動いたということで。

では改めまして。

昨日の森村営業、
これにて終了いたします。

暖簾、
ただいま下ろしました。

少々遅くなりましたが、
閉店処理、完了。

なお本人は、
ソファと布団でしっかり眠って、

午前2時40分。なぜか、
妙にすっきりしております。

さて。

このままもう一度眠るのか。

それとも今度こそ、
昨夜開けられなかった群青の扉を、
そっと開けるのか。

そこはまだ、
本人にもわかりません。

とりあえず。

モリリン、
本日の任務完了。

皆さま、
昨日もありがとうございました。

そして暖簾さん。

一晩、
出しっぱなしでごめんなさい。

— Morimura