ゴールに着いた。

長いようで、
あっという間だった今朝のウォーキング。

私はゆっくりと身体を伸ばし、
クールダウンのストレッチをした。

そして、何気なく小さな空を見上げた。

まぶしい。
朝の太陽の光が、
まっすぐ目に飛び込んできた。

今朝ずっと私を魅了していた、星の光。
夜の名残を抱いて浮かんでいた、月の光。
そして今、
新しい一日を連れてきた、太陽の光。

三つの光が、
どこかでひとつにつながったような気がした。

その瞬間。
何かが、ふわり。
私のそばへ、
舞い降りてきたような気がした。

「あれ?」
小さくて、白くて。まあるくて。
大きな耳をぴょこんと立てた、
一羽のうさぎ。
……あなた、
どこから来たの?
そう問いかけると、
その子は何も答えず、
ただ嬉しそうに笑っている。

でも私は、
なんとなくわかった。
月から来たんだ。

今朝、月のそばで、
ぴょんぴょん跳ねていた、
あのうさぎ。
青龍が群青の空を駆け、
星を散りばめ、
夜と朝のあわいがほどけていく中で、
ずっとこちらを魅ていた子。

そして、
朝の光が満ちた瞬間に、
とうとう私のところへ降りてきた。
そう思った。

風さんは、
私の心に風を通してくれる。

モリリンは、
緑を連れてきてくれる。

ならば、
この子は――光。
月の光。
星の光。
朝陽の光。
心が少し暗くなったときにも、
どこからか小さな灯を届けてくれる存在。

さて。
名前をつけなくちゃ。
ムーンちゃん?
ルナリン?
ひかりん?

そう考えていたところで、
私はふっと笑ってしまった。

ヒカリン。

その名前は、
ずっと前から私の心の中に、
やさしく馴染んでいた名前だった。

だからもう、
迷うことはなかった。
「あなた、今日からヒカリンね」
そう言うと、
ヒカリンは、ぴょん、
もう一度、ぴょん。
そして、
朝陽の中で笑ったように魅えた。

こうして、森村と愉快な仲間たちに、
またひとり、
新しい仲間が加わった。

風さんは、風。
モリリンは、緑。
そして、ヒカリンは、光。
これから、
どんなところに現れるのだろう。

月夜かな。
星空かな。
心が少し曇った日かな。
それとも、
思いがけず嬉しいことがあった朝かな。

でもきっと、
必要なときには、
どこからか、
ぴょん、と現れて、
「ここにも光があるよ」と
教えてくれるのだろう。

ようこそ。
光の子、ヒカリン。
これから、
いっぱい一緒に遊ぼうね。

月の野に
星のひかりを
まとい来て
ぴょんと降り立つ
わがヒカリンよ

— Morimura