夜が、少しずつ深くなってきた。
今日はもう、
ずいぶんたくさんの色を
心に置いてきたような気がする。
夢の中でさまよった群青。
久しぶりに逢えたあなたの腕の中で感じた、
少し熱を帯びた群青。
ホテルを出たとき、
街も空もすっぽり包み込んでいた、
透き通るような群青。
そして、
風の向こうにちらりと感じた、
若様の気配をまとった群青。
今、
待機所の中は静かだ。
さっきまで胸の中で揺れていた色たちも、
少しずつ落ち着いて、
底の方へ沈んでいく。
こんな夜は、
ひとつずつ小さな瓶に詰めておきたくなる。
ひとつ目の瓶には、
夢から目覚める直前の群青。
ふたつ目には、
久しぶりに逢えた喜び。
みっつ目には、
肌に残ったぬくもり。
そしてもうひとつには、
夜道を通り抜けていった、
名前のない風。
全部きれいに並べたら、
今日はもう、
それだけで小さな宝物箱みたい。
でも、
まだ蓋はしない。
だって夜は、
まだ終わっていないから。
このまま静かに、
群青の色だけを残して
夜が深まっていくのかもしれない。
それとも――もう一度だけ、
どこかでドアが開くのかもしれない。
だから今は、
最後の瓶だけ空けたままにしておこう。
今日という一日の、
最後の色を入れるために。
— Morimura
群青のあとに残った静けさ✨
勃つねで応援-
-
共有で応援