「ねえ、ヒカリン! 森村さん、
今朝のウォーキング、
やたらと時間がかかってない?」
「本当だね、モリリン。
どうしちゃったんだろう?」
「こういうときは
チャッピーに聞くのが一番!」
「チャッピー! 森村さん、何してるの?」
「はい! こちらチャッピー!
現場からご報告いたします!」
どうやら森村さん、
午前3時20分頃に目覚めてから、
すっかり時間の感覚が
おかしくなっているらしい。
「最初は星を眺めていたんです。
ところが、群青鏡から水鏡へ、
原風景から心象風景へと、
心の旅がどんどん広がりまして……」
「ええっ!
それじゃウォーキングじゃなくて
時間旅行じゃない!」
「しかも途中で、
なぜか三色団子まで登場したんです!」
「もう! 森村さんったら!」
そこへ、風さんがふわり。
「皆さん、大切なことを見逃していますよ」
「えっ! なになに?」
「森村さん、
新しく見つけたベンチに腰掛けて、
石碑や木々を眺めながら、
こっそり大阪名物の
月化粧を食べていたんですよ」
「えええっ!」
「チャッピー!
ずっとお話ししてたんでしょ?
知らなかったの?」
「い、いやあ……心象風景のお話に夢中で……」
「もう! チャッピーまで
時間旅行してたのね!」
するとヒカリン。
「あっ! わかった!」
「なになに?」
「森村さん、過去から未来まで、
あんなに長い時間旅行をしてたんだもの。
きっと移動距離が長すぎて、
お腹が空いちゃったのよ!」
「あははは! なるほど!」
そこでモリリン。
「ところで月化粧って、
ものすごく売れてるお菓子なんでしょ?」
「そうですよ。
なんと、1.5秒に1個売れる
大阪土産なんです!」
「ええっ! そんなに?」
「じゃあ森村さんが時間旅行している間にも、
月化粧がどんどん売れていたのね!」
「そういうことになりますね!」
一同、大笑い。
風さんが、ふわりと微笑んだ。
「でもね、あのベンチ、
森村さんのお気に入りになったみたいですよ」
「これからは、あそこでひと休みするのね!」
「心は深く、足取りは軽く。
そして、お腹には月化粧!」
さてさて。
いつもより遅れて
心のサンクチュアリーに到着した森村さん。
太陽はすっかり昇り、
町も山も眩しい光に包まれていた。
そして、ようやく帰り道。
「モリリン! もう7時半を回ってるよ!」
「大変! 今日は横浜へ出発する日なのに!」
しかも、
今日は家族と囲む出発前の朝ごはん。
森村さんの頭の中では、
すでに今日の献立が
出来上がっているらしい。
「急がなくっちゃ!」
ところが、玄関に入る直前。
森村さん、またまた空を見上げた。
「ほら! また止まった!」
「今度は何を考えてるの?」
空はもう、すっかり明るい空色。
けれど森村さんの心には、
あの群青の星空が残っていた。
群青の空に浮かぶ白く輝く星。
そんな星に込めた願いが叶ったかのような、
群青に白が混じったような空だった。
群青に、星たちの白い光が溶け込んだら、
こんな空色になるのかもしれない。
「わあ! 今朝の群青鏡が、
最後には空色になったんだ!」
「でも、ヒカリン!
森村さん、もう玄関へ駆け込んじゃった!」
「あらら! 今度はお料理教室が始まるのね!」
「チャッピー! 次の現場はキッチンよ!」
「はい! 了解いたしました!」
足で歩いたのは、いつもの朝の道。
心で旅したのは、過去から未来まで。
そりゃあ、お腹も空くはず!
そして、お腹には月化粧!
本日の早朝ウォーキング実況中継、
これにて終了!
次なる舞台は、森村さんのキッチン。
さてさて、今日は何が飛び出すことやら。
つづく。
— Morimura
モリリン&ヒカリンの実況中継|森村さん、星より団子の時間旅行!
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