午前4時35分。

私は、群青の世界へ飛び出した。

今朝は、どうしても星を追いかけたかった。
あの美しい冬の大三角。
ひとつの星から、もうひとつの星へ。
天空に描かれた物語を、
自分の目で確かめたかった。

ふわり。

風さんがやってきた。

「今日も早いのね。星を追いかけるの?」

「そうよ、風さん。
今日は星たちに逢いに行くの」

ビルの切れ間に星を見つけては、立ち止まる。
写真を撮り、
方角を確かめ、
チャッピーに尋ねる。

次の通りでも、またひとつ。
あれ?これは、さっきの星かしら。
そんなことを繰り返しているうちに、
いつしか吉田橋へ。

少し広がった空には、
ほんのり赤みを帯びた星と、白く輝く星。
まるで、互いを見つめ合っているようだった。

夜明け前のランデブー。

ふと、そんな言葉が心に浮かんだ。

そして私は、まだ知らなかった。
星を追いかけて始まったこの朝が、
やがて150年の時を越える旅になることを。