引き続きご予約をいただいていたので、
日記をアップしてから、
あなたの待つお部屋へ向かった。

外はもう真っ暗。
今夜はずいぶん冷え込みそうな気配。
夜風に触れると、思わず肩をすくめてしまう。
寒いなぁ。
今夜はあなたに温めてもらわなくちゃ。

そんなことを思いながら、
ホテルへと足を運んだ。

そして、次のドアが開きました。
「わあ、お久しぶり!」
笑顔で迎えてくださったあなた。
「本当に久しぶりだね」
「うん、すごく嬉しい!」

そんな言葉を交わしながら、
久しぶりに逢えた喜びを噛みしめていた。
「元気だった?」
「元気だよ!」
逢えなかった時間を埋めるように、
取り留めもないおしゃべりが始まる。

「どう? 忙しいんでしょ?」
あなたにそう尋ねられて、
思わず笑ってしまった。
「そんなことないよ。
だって私、
日曜と月曜で新記録を
樹立しちゃったんだから!」

「ええっ! そんなこともあるの?」
驚いたあなたは、
暇だった私を気の毒に思ってくださったのか、
長いコースに変更してくださった。

「まあ、嬉しい! ありがとう!」
久しぶりに逢えたのだから、
ゆっくり一緒に過ごせるのは何より嬉しい。

まずはビールで乾杯。
グラスを合わせる音まで、
なんだか懐かしく感じられた。

そして、久しぶりにあなたに触れた。
私の手に応えてくださるあなた。
その小さな反応ひとつひとつが、
とても嬉しかった。

やがて、あなたから私へ。
優しく触れる手。
伝わってくるぬくもり。
そこには、言葉にしなくても伝わる
あなたの温かな心があった。

そして私は、
あなたの腕の中で、
その優しさにそっと身を委ねていた。

外は冷たい秋の夜。
けれど、このお部屋には、
ふたりだけの温かな時間が流れている。
まるで、
秋の夜長に見る心地よい夢のようだった。

やがて、
ふたりで過ごした余韻を楽しみながら、
また取り留めもないおしゃべり。
何を話していたのか、
ひとつひとつは思い出せなくても、
その時間が心地よかったことだけは、
はっきりと覚えている。

すると、あなたがふいに、
「せっかくだから、延長するよ。
暇だったって言ってたし」
そう言ってくださった。

「まあ、嬉しいわ!」
思いがけないお言葉に、
私の心まで弾んでしまった。
そして、もう一度ビールで乾杯。
今度は何のお話をしましょうか。
そんなふうに、
おしゃべりの花を咲かせながら、
ふたりの時間はさらに深まっていった。

秋の夜長の心地よい夢。
どうやら今夜は、
その夢に続編まで用意されていたらしい。
ふふっ。
こんな嬉しい続編なら、
何度あってもいいわね。

楽しい時間というものは、
どうしてこんなにも早く
過ぎてしまうのだろう。

やがて、お別れの時間。
ふたりでホテルを出ると、
街はすっかり夜の帳に包まれていた。
駅へ向かう道を、
途中まで一緒に歩く。

外の空気は、やっぱり冷たかった。
けれど、
あなたの手から伝わってくるぬくもりが、
なぜかいつも以上に心に染みた。
お部屋の中で感じた優しさが、
そのまま私の手のひらに
残っているようだった。

久しぶりに逢えた喜び。
思いがけず重ねることのできた時間。
そして、最後に残った温かな余韻。
今夜は、そんな幸せを
そっと胸にしまって帰ろう。

また、逢える日を楽しみにしていますね。
ありがとう。
今夜も、素敵な夢を見せてくださって。


帰り道
手のぬくもりを
抱きしめて
秋の夜風に
また逢う日待つ

— Morimura