秋風に目覚めて、あなたの温もりへ✨
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いつの間に眠っていたんだろう。
もう、自分でもわからない。
耳元で何かが鳴っている。
遠い夢の中から聞こえてくるような音。
寝ぼけた頭で電話を取ると、
お店からだった。
どうやら、お仕事が入ったらしい。
時計を見ると、20時。
えっ、もうこんな時間?
一体、私は何時から眠っていたんだろう。
今朝、突然思い立った、
三塔を空からのビューツアー。
もう今日しかない!
そう思って、
思い切って決行した小さな冒険だった。
そこで心に響いた風景や、
新しく出逢った横浜の表情。
そんな一つひとつを言葉に紡いでいたら、
いつの間にか五つもの物語が生まれていた。
四作目を投稿したのが18時19分。
あと一作。
最後の物語を仕上げてから眠ろう。
そう思っていたはずなのに、
どうやら途中で力尽きてしまったらしい。
ということは、
18時半頃には眠っていたのかもしれない。
うーん、約1時間半。
それにしても、よく眠った。
いや、まだまだ眠れそう。
そんな熟睡の真っただ中、
突然の電話に起こされたものだから、
頭の中はまだ夢と現実のあわいを
さまよっていた。
それでも身支度を整えて外へ出る。
街はもう、すっかり夜の装い。
いつもなら真っ先に空を見上げる私なのに、
このときばかりは、
そこまで気持ちが飛んでいかなかった。
どうやら、まだ寝ぼけていたらしい。
けれど、
頬を撫でていく秋の夜風は、
思いのほか冷たかった。
ひんやりとした空気が肌に触れるたび、
ぼんやりしていた頭の中が、
少しずつ澄んでいく。
夢から現実へ。
そして、
これから始まる新しい時間へ。
秋風が、私を連れ出してくれた。
次のドアが開きました。
そこには、
とっても素敵な笑顔のあなたがいた。
その笑顔を見た瞬間、
ふと、こんなことを思った。
もしかして、
私に逢えたことを、
そんなに喜んでくださっているのかしら。
そうだったら嬉しいな。
でも、
私の思い違いでなければいいけれど。
そんな小さな期待を胸に秘めながら、
あなたの笑顔を魅つめていた。
すると、不思議なことに、
言葉より先に心が動いた。
どちらからともなく近づいて、
いつの間にか、
ふたりは抱きしめ合っていた。
まるで、
久しぶりに逢えた喜びを確かめ合うように。
しばらく、そのままでいた。
あなたの腕の中は、
とてもあたたかかった。
そして、ふと思った。
ああ、やっぱり。
さっき感じたあの喜びは、
私の思い違いではなかったのかもしれない。
そう思えた瞬間、
胸の奥に、ふわっと幸せが広がった。
あなたが嬉しい。
私も嬉しい。
そんな気持ちが、
言葉を交わさなくても
伝わってくるようだった。
私は、その喜びをそっと指先に込めた。
急がず、ゆっくりと。
あなたの温もりを確かめるように、
優しく触れていく。
すると、
あなたもその優しさに応えるように、
心地よさそうな表情を見せてくださった。
それが、また嬉しくて。
誰かを喜ばせることが、
こんなにも自分の喜び
喜びになるなんて。そんな幸せを感じながら、
今度は、あなたから私へ。
あなたの手の温もり。柔らかな指先。
その一つひとつに込められた、
言葉にならない優しさ。
触れられるたびに、
心の奥まで温もりが届いてくる。
なんだろう、この感覚。
身体の力がふわっと抜けて、
あなたの優しさの中に、
そのままとろけてしまいそうだった。
そして、またあなたの腕の中へ。
ぎゅっと抱きしめられると、
そこには不思議なほどの安心感があった。
あたたかい。
ただ、それだけではない。
触れ合う身体の向こうで、
心と心までが、
静かに響き合っているような気がした。
何かを確かめるための言葉も、
特別な約束もいらない。
ただ、今この瞬間、
あなたと同じ温もりの中にいられること。
それが、こんなにも嬉しい。
秋の夜は少しずつ深まり、
窓の向こうには
冷たい風が吹いているはずなのに、
ふたりの時間だけは、
まるで春の陽だまりのようだった。
そんな、しっとりと艶やかな秋の夜。
心も身体も満たされて、
胸いっぱいの幸せに包まれたひとときだった。
ありがとう、あなた。
そして、お別れのとき。
「また来るよ」
あなたが、そうおっしゃってくださった。
その一言が、
私には何よりも嬉しかった。
また逢える。今日のこの温もりが、
いつかもう一度、
ふたりの間に生まれるかもしれない。
そう思うだけで、
胸の奥がほんのりあたたかくなる。
「また待っていますね」
そんな気持ちを込めて、
部屋を後にした。
そして今。私は、またいつもの場所にいる。
秋の夜風に吹かれながら、
こうして日記を綴っている。
頬を撫でる風は冷たい。
けれど、不思議。
少しも寒く感じない。
あなたの手の温もりも、
優しく抱きしめてくださった感覚も、
そして、あのとろけるようなときめきも。まだ、私の身体のどこかに、
そっと残っているような気がする。
思えば、今夜は不思議な夜だった。
夢の途中で突然起こされ、
寝ぼけたまま秋の夜へと飛び出した私。
けれど、その先で待っていたのは、
夢よりもあたたかく、
夢よりも心ときめく時間だった。
あの電話が鳴らなければ、
私はきっと、まだ眠っていただろう。
そう考えると、
なんだか可笑しくなってしまう。
眠りから目覚めたはずなのに、
今度はあなたの温もりに、
心まで夢見心地になってしまったのだから。
ねえ、風さん。
今夜の風は少し冷たいけれど、
私の心は、こんなにもあたたかいの。
どうか、この幸せな余韻を、
もう少しだけ私のそばに置いておいてね。
秋風が、ふわり。
まるで、わかったよ、と
頬を優しく撫でていった。
秋風に
君のぬくもり
抱きしめて
夢の続きを
胸に灯せり
— Morimura