長い一日が終わろうとしている。
今日という日は、
私に何を残してくれたのだろう。

思いがけず広がった世界。
新しく出逢った風景。
そして、心の奥にそっと灯された温もり。

振り返ってみれば、
どれも偶然のようでいて、
どこか不思議なつながりを感じる。

遠くを魅ようとしていたはずなのに、
本当に大切なものは、
案外、身近なところにあった。

人の心とは、不思議なもの。
ほんの一瞬の出来事が、
長い歳月にも負けないほど、
深く心に刻まれることがある。

そして、誰かの優しさに触れることで、
いつもの風景さえ、
違った輝きを帯び始める。

今日、私が受け取ったのは、
そんな目には魅えない贈り物だった。

自分の大切な世界を、
同じように大切に想ってくれる心。

その幸せを知ったことが、
何より嬉しかった。
人は、誰かの心に寄り添い、
また誰かの優しさに支えられながら、
小さな物語を重ねていくのだろう。

今日の私も、その一人。
たくさんの言葉を紡いだ一日だったけれど、
最後に残った想いは、
驚くほどシンプルだった。

ありがとう。

その一言に、
今日のすべてを込めたい。

ねえ、風さん。
今夜はもう、何も探さなくていいね。
心はこんなにも満たされているのだから。

秋風が、ふわり。

今日という日の最後のページを、
静かに閉じていった。

ありがとう、愛しい一日。

そして、おやすみなさい。


長歌

秋の空
高みをたどり
帰る身に
人のぬくもり
そっと満つ
言葉にならぬ
その想い
胸の灯となり
今宵を包む

反歌

空の果て
巡りて知りぬ
まごころの
いちばん近き
灯りのありか

— Morimura